2009 Fiscal Year Annual Research Report
色素体とミトコンドリアの分裂マシーンの分子生理機構の解明
Project/Area Number |
19207004
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
黒岩 常祥 Rikkyo University, 理学部, 教授 (50033353)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 宗一 琉球大学, 理学部, 教授 (00201674)
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Keywords | 色素体分裂装置 / ミトコンドリア分裂装置 / 分裂マシーン / Cyanidioschuzon merolae / MALDI TOF-MS / プロテオミクス / ダイナミン / シゾンゲノム |
Research Abstract |
本研究の目的は、原始紅藻Cyanidioschyzon merolae(略称シゾン)の同調培養系を使って、葉緑体の分裂装置であるPDリング複合体を大量かつ無傷に単離し、それを構成する全タンパク質とその遺伝子をMALDI TOF-MS法を使って同定することである。次に葉緑体の解析系を利用して、ミトコンドリアの分裂装置であるMDリング複合体(分裂マシーン)を無傷に単離し、構成する全タンパク質とそれらの遺伝子を同定することである。さらにシゾンで現在開発中の遺伝子破壊技術を用いて、これらの遺伝子の機能を同定することであった。 分裂期前期にあるPDFとMDFマシーンの複合体を持った細胞を集め、フレンチプレスを使って破砕する。これをパーコールの密度勾配遠心で、細胞核、色素体-ミトコンドリア複合体、その他に分け、分裂装置を持った色素体とミトコンドリアを大量に集める。次にノニデットP40をはじめOGのような各種界面活性剤で処理し、遠心を繰り返し、PDFとMDFマシーン複合体の沈査を大量に得る。また分裂期後期の細胞からPDFマシーンを持った細胞を集め、各種界面活性剤処理を行い、無傷PDFマシーンを得る。こうした過程は主に蛍光顕微鏡と電子顕微鏡観察やウエスタンブロッティング法で各画分を確認しながら進め、MALDI TOF-MSにかけ、遺伝子を同定した。その結果ミトコンドリア分裂装置内でFtsZと協調して働く、新たなZED遺伝子を発見した。
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