2008 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類のゲノムデータを用いた近縁種間・種内多様性解析と保全生物学への応用
Project/Area Number |
19207008
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
斎藤 成也 National Institute of Genetics, 集団遺伝研究系, 教授 (30192587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 貴文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (20184533)
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Keywords | 遺伝学 / 遺伝子 / ゲノム / 進化 / 人類学 |
Research Abstract |
斎藤:昨年に続いてテナガザル2種(アジールテナガザルとフクロテナガザル)についてイントロン領域の配列決定を進めた。データベースPrim-Primで公開している2000箇所以上の候補領域のうち,すでに100種類の領域について,どちらの種でも塩基配列決定ができることを確認している。ただし,領域・個体によってはうまくDNAが増幅されない場合が若干存在する。ヒトゲノムとアカゲザルゲノムの比較から取り出されたイントロン配列,およびエクソン末端のPCRプライマー領域であるが,テナガザルはアカゲザルよりもヒトに系統的に近いとはいえ,分岐時間が1500万年以上なので,独自の塩基置換を蓄積したために,狭鼻猿ユニバーサルPCRプライマーとして設計したものが働かなかったものと思われる。塩基配列が決定できたものについては,これらを多重整列し,系統樹を作成したが,現在のところこれら2種間での過去の交雑を示唆するパターンはまだ発見されていない。 石田:アジア産類人猿としてテナガザルに焦点を当て、その系統分類・社会構造解明のため、ゲノム解析を進めた。テナガザル4属のうち3属4種についてミトコンドリアDNA全長の塩基配列を決定し系統解析に用いると共に、種判別に有用な領域の探索をおこない、ND3-4部分を抽出した。これらの情報をもとに、日動水テナガザル国内血統登録台帳と対照しながら、国内保有のテナガザルの種判別を逐次おこなった。一方、新たな試料の創成については、非霊長類哺乳類を中心に20種の細胞・DNAを保存した。
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Research Products
(11 results)