2009 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類のゲノムデータを用いた近縁種間・種内多様性解析と保全生物学への応用
Project/Area Number |
19207008
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
斎藤 成也 National Institute of Genetics, 集団遺伝研究系, 教授 (30192587)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 貴文 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (20184533)
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Keywords | 遺伝学 / 遺伝子 / ゲノム / 進化 / 人類学 |
Research Abstract |
霊長類の保全生物学と種内の多様性研究というふたつの目的のために、"Prim-Prim"というデータベースを作成した。このデータベースは既知の霊長類ゲノム配列の比較から、未解読の霊長類のDNA断片を分子マーカーとして増幅させることのできる「霊長類ユニバーサルプライマー」2303ペアを収めている。すでにゲノム配列の解読が終了しているヒトとアカゲザルのゲノム配列を比較し、変異性の高いイントロン領域をはさんだエクソンが両種で完全に一致している領域を抽出した。この中からPCRプライマーとしてのよい化学的性質を持つ部分配列を同定し、これらを「狭鼻猿類ユニバーサルプライマー」の候補配列として予測した。これらのプライマー58対を用いて、主として石田が収集したテナガザル6種の36個体のDNAサンプルを用い、塩基配列決定を行った。配列決定は斎藤の研究室で実施した。現在これらの配列データを解析中である。結果を2010年9月に京都で開催される国際霊長類学会で発表する予定である。 研究資材の開発・拡充については、各種霊長類のDNA・細胞に加え、広く哺乳類全般から試料を収集し、60生物種のリソースが作成できた。小型類人猿の系統分岐に関しては、属レベル、種レベル、亜種レベルで良い解像度を得られるよう、解析領域の選定をした。分子生態学・保全学への応用を念頭に、排泄物からのDNAを常染色体STRの解析に使えるよう条件設定をおこなった。以上は石田が担当した。
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