2007 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質の動的複合体形成による細胞骨格制御の構造生物学
Project/Area Number |
19207010
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
箱嶋 敏雄 Nara Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 教授 (00164773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三島 正規 首都大学東京, 理工学研究科, 准教授 (70346310)
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Keywords | Rhoキナーゼ / +TIP / 微小管 / アクチン / 細胞接着 |
Research Abstract |
Rhoキナーゼの機能制御の構造的基礎の研究では、キナーゼドメインの柔軟性をドッキング計算実験と分子動力学計算で解析した結果、X線結晶構造解析で提案していた薬剤の芳香環結合部位を確認した。また、P-ループの柔軟性と薬剤系結合様式の相関関係を解析した。更に、C-末端に存在する新規な細胞膜にリクルートドメインであるPHn-C1L-PHcドメインの構造研究を目指したタンパク質試料調製を行った結果、C1L-PHcドメインに関しては、良好のNMRスペクトル収集の目処が立った。 細胞膜タンパク質のアクチン細胞骨格系を通した機能制御の構造的基礎の研究では、radixinのFERMドメイン(残基1-310)とII型膜タンパク質であるNEPの細胞質テールの合成ペプチド(22残基)との複合体の構造を決定し、得られたFERM-NEP複合体結晶中では、ペプチドの両親媒性領域はFERMドメインのサブドメインCの浅い溝に結合して、β-鎖とそれに続くヘヤピン構造を形成しており、このβ-β相互作用は、ICAM-2などのI型膜タンパク質の接着分子とのものと極性が同一であり、「II型膜タンパク質であるNEPではβ-β相互作用の極性が逆を向く」ということは起こっていないことが判明した。 微小管伸張の動的制御研究では、CLIP-170の2つの直並CAP-Glyドメイン、CAP-Gly1とCAP-Gly2、の結晶学的、NMRならびに変異解析による構造ならびに相互作用解析を解析し、CLIP-170は、2つのCAP-Glyドメインのもつ正に荷電した溝によるチュービュリンと結合すること、また、より正に荷電したCAP-Gly2ドメインが、α-チュービュリンのC-末端酸性テールのEExEEY/Fモチーフを直接認識することを明らかにした。 当初計画にはなかったEB1とCLASPの複合体の結晶は、繰越計画に沿ってX線結晶構造解析を進めて、これまで予測されていなかった特異的相互作用の詳細を三次元構造上で解明して、結合モチーフ「bxSbIPb(bは塩基性,xは任意のアミノ酸残基,SはSer,IPはIle-Pro配列)」を同定した。
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Research Products
(22 results)
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[Journal Article]2007
Author(s)
Gohda, K.
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Journal Title
P-loop pliability of Rho-kinase for inhibitor binding. in Drug Design Research Perspectives(Nova Science Publishers, Inc. )
Pages: 39-56
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