2010 Fiscal Year Annual Research Report
非対称細胞分裂を制御する新規Wntシグナル伝達機構の研究
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19207017
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
澤 斉 国立遺伝学研究所, 構造遺伝学研究センター, 教授 (80222024)
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Keywords | 非対称分裂 / 細胞極性 / Wnt / βカテニン / C.elegans / 微小管 / 紡錘体 / 幹細胞 |
Research Abstract |
非対称細胞分裂は細胞の多様性を作り出す基本的機構である。線虫C.elegansにおいては非対称分裂がβカテニンを介したWntシグナル伝達によって制御されている。細胞分裂の際、βカテニンやAPCなどのシグナル分子が細胞表層に非対称に局在し、分裂の終期にβカテニン自身の非対称な核局在を制御している。しかし、その詳細な機構は不明である。われわれは初期胚での非対称分裂の終期に紡錘体が非対称に形成されることを発見している。後極の中心体の方が微小管の数が少ない。非対称な紡錘体形成にはWntや前側の表層に局在しているβカテニンやAPCの機能が必要である。野生型ではAPCが局在している前方の表層で後方よりも微小管が長くとどまるが、APCの変異体では前後の違いが観察されない。微小管に結合するAPCの働きにより前側で微小管が安定化されていると考えられる。後極の微小管をレーザーで壊し、微小管の非対称性を増強させるとβカテニンの非対称性も増強され、反対に、前極にレーザー照射を行うとβカテニンの非対称性が失われた。さらに微小管の非対称性が失われるWntの変異体において、レーザー照射により微小管の非対称性を人為的に作り出すと、βカテニンによって制御されるTCFの非対称局在が回復した。さらに複数のキネシンの機能を阻害するとβカテニンの核局在が異常になった。キネシンと微小管を介した細胞質での輸送システムにより、βカテニンの核局在が制御されていることが明らかになった。
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Research Products
(2 results)