2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19208001
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西尾 剛 Tohoku University, 大学院・農学研究科, 教授 (30301039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北柴 大泰 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (80431542)
高畑 義人 岩手大学, 農学部, 教授 (10133894)
横井 修司 岩手大学, 農学部, 准教授 (80346311)
金子 幸雄 宇都宮大学, 農学部, 教授 (40241848)
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Keywords | 種間不和合性 / 雑種胚崩壊 / 自家不和合性 / ゲノム再配列 / 遺伝子発現解析 |
Research Abstract |
B.rapaの約300のEST-SNPマーカーの連鎖地図を構築し、シロイヌナズナゲノムとのシンテニーを明らかにした。複二倍体種Brassica napusの祖先ゲノム種であるBrassica rapaのAゲノム種とBrassica oleracesのCゲノム種の種間不和合性程度の系統間差の主要なQTLが第2連鎖群にあることをB_1F_2集団でも確認した。その領域のシンテニー解析により、雌蕊側で働く種間不和合性遺伝子の候補を推定した。B.rapaには、ダイコンとの種間交雑で雑種胚退化が起こりやすい系統と起こりにくい系統があるが、雑種胚退化に関わるQTLを第10連鎖群に見出した。 B.napusは、片親のB.oleraceaとの間ではほとんど雑種が得られず、雑種胚崩壊が起こる。SSH法により雑種胚崩壊が起こる組合せに特異的な202のESTsを単離した。相同性検索で機能推定したところ、これらのうち19.3%は新規な遺伝子であり、14.7%が機能未知であった。雑種胚崩壊が起こる組合せでは受粉後10日目から胚発達が遅延し、珠心細胞の退化の遅延と異常増殖が見られた。 複半数性F_1個体からの次代種子の獲得は極めて低く、高雑種形成能を示す個体とその次代の種子稔性には相関がみられなかったことから、F_1雑種形成に関わる遺伝因子と次代を得るための稔実性の因子は別であると考えられた。一方、F_1雑種集団内から、ゲノム構成AARRの複二倍体が6個体、AARの二基三倍体が1個体見出され、F_1雑種集団中の自然倍加個体の発生率は0.28%であった。 自家不和合性遺伝子の複対立遺伝子の簡易同定技術を開発してきたが、その利用により、アブラナ遺伝資源の遺伝的多様性が評価できることを示した。また、高効率種判別技術を開発し、Brassica属の二倍体種と複二倍体種を効率よく同定出来るようになった。
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Research Products
(12 results)