2007 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌の二次代謝、形態分化を司る制御機構の統括的解明
Project/Area Number |
19208009
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堀之内 末治 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (80143410)
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Keywords | 抗生物質生産 / 放線菌 / A-ファクター / 形態分化 / 二次代謝 / タンパク質リン酸化 / Streptomyves griseus / コンビナトリアル生合成 |
Research Abstract |
(1)放線菌Streptomyves griseusの全ゲノム配列に基づいたDNAマイクロアレイを作成し、化学調節物質A-ファクターの有無によって変動する遺伝子を約1,000個見出した。このうち600個はA-ファクターによって正に制御されていた。これらの遺伝子を網羅的に破壊、過剰発現等によって解析することで、より詳細なより精密なA-ファクター制御カスケードの全貌を明らかにできる。 (2)A-ファクターの全生合成経路をin vitro,in vivoにおいて明らかにできた。本成果は、これまで不明であったg-ブチロラクトン全般にも当てはまり、化学調節物質による制御研究における画期的な成果と言える。 (3)Grixazone生合成に関わるGriCDの酵素機能の解明、A-ファクターによる転写制御の分子機構の解明を達成できた。 (4)リン酸化される転写因子AfsRは、多くの二次代謝生合成経路に特異的な転写因子の1つでもある。AfgRがいかに標的遺伝子の転写を活性化するがにつき、その詳細を提案できた。この成果は、多くの経路特異的転写因子についても当てはまることから、その改変によって今後の二次代謝産物の増産等に寄与できる。 (5)放線菌のグルコース抑制に関する転写因子CebRをクローニングし、またその標的遺伝子を複数取得した。これらの解析により、放線菌の二次代謝、形態分化に重要なグルコース抑制機構の一端に迫れると期待される。 (6)コンビナトリアル生合成による植物由来のポリケタイド化合物生産に利用できる放線菌由来のIII型ポリケタイド合成酵素の反応機構を解明した。あわせて、同目的に利用可能な酵素遣伝子としてイネ由来のクルクミン(カレーの黄色色素;別名「うこん」)合成酵素を同定、解析した。これまでに我々が開発した「人工的生合成遺伝子群」を用いる発酵生産系にとりいれ、天然型クルクミンの大腸菌における発酵生産に成功した。
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[Journal Article]2008
Author(s)
Sueharu Horinouchi
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Journal Title
Chemical Communication among Bacteria(American Society for Microbiology)
Pages: 363-377
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