2009 Fiscal Year Annual Research Report
電気伝導性ナノワイヤーを介し徴生物間相互作用の解析
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19208010
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Research Institution | Marine Biotechnology Institute (MBI) |
Principal Investigator |
渡辺 一哉 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任准教授 (40393467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末永 智一 東北大学, 工学部, 教授 (70173797)
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Keywords | ナノワイヤー / 微生物燃料電池 / エネルギー代謝 / メタン発酵 / 電極呼吸 / 鉄還元菌 |
Research Abstract |
微生物が導電性細胞外繊維(ナノワイヤー)を利用している可能性が示唆されてきているが、その物性や役割はほとんど解明されていない。本研究は、微生物ナノワイヤー(鞭毛や繊毛など)の導電性の測定や導電性ナノワイヤーの微生物間相互作用における役割の解明などを目的としている。 今までに作製した櫛状電極の近傍に微生物体を配置することに成功した。Shewanella菌の鞭毛と思われる繊維を櫛の間に配置し、電極間電位をかけ電流の測定を試みたが、電流は測定されなかった。同種細菌の繊毛についても試みたが、電極間に配置することはできなかった。 微生物間相互作用における役割の解明においては、昨年度までに発見した発酵細菌Pelotomaculumのナノワイヤー蛋白質が異種微生物間の情報伝達物質になるという現象について、さらなる検証を行った。この蛋白質に対する抗体を作成し、抗体存在下、および非存在下における共生的メタン生成速度の比較を行ったところ、鞭毛CAP蛋白質に対する抗体はメタン生成速度を顕著に低下させたが、鞭毛主要成分のFliCに対する抗体は大きな影響がなかった。これは、CAP蛋白がシグナルの本体であることを示すもので、今後、CAPタンパク質に結合するメタン菌細胞表面タンパク質の同定が期待される。さらに、CAPタンパク質の結合特異性を調査し、これがメタン菌のなかでも共生相手であるMethanothermobacter属に特異的に結合することを発見した。
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