2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19208012
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 利郎 Kyushu University, 農学研究院, 准教授 (20238942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 清 九州大学, 農学研究院, 教授 (80038322)
木元 幸一 東京家政大学, 家政学部, 教授 (60133378)
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Keywords | ペプチド / 高血圧 / LC-MS / MS / 血管機能 / 生活習慣病 |
Research Abstract |
種々の生理作用が明らかにされつつある低分子ペプチドについて、特に高血圧・糖尿病発症に深く関わる血管機能に対する潜在的な作用を組織レベルで評価し、さらにin vivoでの活性発現の前提となる腸管吸収性について、理論的、あるいは迅速評価可能な新たなアッセイシステムの構築を図った。 1)腸管吸収ペプチドの吸収・組織蓄積挙動の網羅的解明 腸間膜透過後の複数ペプチドの一斉分析を想定して、新たにダブルスイッチング並行カラムHPLC法を開発し、3成分までの分析が70分以内で可能となった。一方、caoco-2膜Ussingシステム法によって、10種類以上のペプチド(ポジティブペプチド;Gly-Sar)を透過性を評価し、PepT1トランスポーターに対する結合親和性及び透過係数ともに、ペプチドの有する疎水性転移自由エネルギーに基づいていることが示唆された。これにより、計算化学によるペプチド透過性評価が可能となるとの知見が得られた。 2)同位体標識LC/MS法の構築によるペプチド吸収・組織蓄積挙動の解明:13C-Val、Ile、AlaのFmoc誘導体化合成並びにC末端にTyrを配置したジペプチド体の合成に成功した。13C-NMR測定によって100scan以下での特異的標識体の検出が可能となり、さらにLC-MS/MSでの[M+1m/z]/MeCN-HCOOH(Pos)検出の確認と最適検出条件を設定し得た。これにより、ラット等での吸収動態の特異的検出法の設定に途を開くことができた。 3)血管調節機能を有するペプチド体の網羅的解明:67種類に及び各種低分子ペプチドを合成し、SDラット血管標本を用いた血管張力測定を実施し、WHをはじめとするジペプチド群では、血管弛緩性発現にはN末端塩基性アミノ酸残基の重要性が初めて明らかになった。この結果を起点として、ペプチド構造(鎖長等)と活性発現相関の究明に関してのさらなる情報取得を目指す。
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Research Products
(4 results)