2009 Fiscal Year Annual Research Report
モノネガウイルスの病原性発現決定因子の解析と制御法の開発
Project/Area Number |
19208025
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
甲斐 知恵子 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10167330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 美佐子 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (40361620)
佐藤 宏樹 東京大学, 医科学研究所, 助教 (50418654)
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Keywords | モービリウイルス / 麻疹ウイルス / 牛疫ウイルス / イヌジステンパーウイルス / アクセサリー蛋白 / 病原性発現 |
Research Abstract |
モービリウイルスのアクセサリー蛋白の機能解析では、リバースジェネティクス技術を用いて作出したC蛋白、V蛋白を欠損させた組換え牛疫ウイルスを、血球系由来細胞と上皮系由来細胞とに感染させ、マイクロアレイ解析を行った結果、細胞種によって異なる発現プロファイルを示すことを見いだした。その違いに関与すると予想される候補遺伝子を抽出し、中心的役割を担う遺伝子の探索を現在も継続している。病原性発現決定因子の解析では、細胞への侵入に必須のウイルス膜蛋白がまず考えられる。特に本ウイルスでは、標的細胞である血球系細胞上に存在する受容体SLAMを介して侵入し、この細胞群が全身伝播を起こさせ病原性発現に最も関わると予想されている。そこで、この受容体との結合部位を改変させた組換え牛疫ウイルスを作出した。これを、ウサギの感染モデル実験系を用いてウサギに様々なルートで感染させたところ、病原性は著しく減弱した。しかし病理組織学的解析によって、この組換えウイルスの感染が成立していることが明らかになった。従ってSLAM以外の受容体を介した感染成立およびウイルス伝播機序が存在すると推測された。ニパウイルスの細胞内増殖様式の解析においては、アクセサリー蛋白欠損ウイルスを作出しそれぞれの細胞内での増殖を比較解析したところ細胞増殖性が著しく劣ることが明らかになった。また、ニパウイルスのN蛋白のリン酸化部位を同定することに成功した。さらにこの部位がウイルスの複製・転写に役割を担うことも明らかになった。
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[Journal Article] The nonstructural proteins of Nipah virus play a key role in pathogenicity in vivo.2010
Author(s)
Yoneda, M., Guillaume, V., Sato, H., Fujita, K., Georges-Courbot, M-C., Ikeda, F., Omi, M., Muto-Terao, Y., Wild, F., Kai, C.
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 5(9)
Pages: e12709(1-8)
Peer Reviewed
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[Presentation] Analysis of phosphorylation residues on Nipah virus nucleoprotein.2009
Author(s)
Huang, M., Sato, H., Hagiwara, K., Watanabe, A., Kozuka-Hata, H., Oyama, M., Yoneda, M., Kai, C.
Organizer
The 9th Awaji International Forum
Place of Presentation
淡路夢舞台国際会議場
Year and Date
20090908-20090911
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