2008 Fiscal Year Annual Research Report
マダニ媒介原虫病のTRANSMISSION-BLOCKINGVACCINE開発
Project/Area Number |
19208026
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤崎 幸蔵 Kagoshima University, 農学部, 教授 (00292095)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田仲 哲也 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (00322842)
鈴木 宏志 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (60333473)
辻 尚利 独立行政法人農業食品産業技術総合研究機構, 動物衛生研究所, 主任研究員 (70355171)
|
Keywords | マダニ / Babesia原虫 / TBM / TBV / TOR経路 / オートファジー / リボソーム / 細胞内バイオマス |
Research Abstract |
本研究の目的は、研究代表者らが分離・特性解明に成功している各種TBMに関する最新知見を活用し、またB.gibsoniのESTデータベースも併用することによって、ガメートからスポロゾイトに至るマダニ体内の全SS期虫体について、各種TBMと反応・結合する原虫分子の探索・同定、特性解明を展開し、最終的にこれらの組換え体複数を用いて、マダニ媒介性原虫病に特有の経発育期・介卵伝播を多段的・多重的に阻止しうる、世界初の多価疾病媒介阻止ワクチン(multi-component transmission-blocking vaccine : TBV)の実現を図ることである。平成20年度に得られた研究成果の概要は、以下の通りである。 (1)マダニの変態・脱皮を制御するTBMとして最も主要なキチナーゼの多価疾病媒介阻止ワクチン・vehicleとしての機能を評価するために、マダニキチナーゼ遺伝子の特性解明の第1人者であるMyungjo YOU博士を韓国から招へいし、共同実験を実施した。 (2)マダニの生存と生活史の特徴である飢餓耐性を支える栄養補給の分子基盤としてTORアミノ酸シグナル伝達経路とその下流域のオートファジー(自食)autophagyとリボソームの蛋白合成経路が重要なことを発見し、経路に参画する酵素蛋白の特性と機能を分子・遺伝子レベルで解析した。 (3)これらの知見は、TBV開発に必須の標的分子を、マダニ細胞内バイオマス再生機構の中か発掘できる可能性を示した新規かつ独創的な発見であり、学術的・社会的意義が大きい。
|
Research Products
(7 results)