2009 Fiscal Year Annual Research Report
ERから細胞膜へ:膜骨格裏打ちユニット小胞の細胞内トラフィックと疾患
Project/Area Number |
19208027
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
稲葉 睦 Hokkaido University, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00183179)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 耕太 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 准教授 (50283974)
安居院 高志 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (00212457)
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10193559)
大塚 弥生 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 博士研究員 (30396303)
渡邊 信久 北海道大学, 大学院・先端生命科学研究院, 准教授 (70212321)
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Keywords | 細胞膜 / 小胞体 / トラフィック / 膜骨格 / 疾患 / 赤血球膜 |
Research Abstract |
本研究は体細胞に普遍的な細胞膜骨格の構築と構成タンパク質の膜輪送機構を明らかにし、その異常に基づく疾患の発症機序を理解することを目的とする。今年度は、赤血球の主要膜内在性タンパク質である牛のバンド3、グライコフォリン、ならびにそれらと相互作用する膜骨格タンパク質の小胞体(ER)から細胞膜への小胞輸送やER品質管理の制御メカニズムを検討した。その結果、1)バンド3とアンキリンがER膜上で複合体を形成すること、2)バンド3がERからERGICに移行する際は、そのN末端領域にある疎水性ΦXΦXΦという配列が認識されCOP II小胞によって輸送されること、3)バンド3のER関連分解はユビキチン化、糖鎖認識、細胞質への逆行輸送のいずれも受けない点で従来CFTRについて知られるものとは全く別の仕組みをもつこと、4)牛グライコフォリン分子群はCD58等とともに細胞膜表面で遺伝的多様性をもつ高分子複合体を形成することなどの新しい知見を得た。これらの知見は、従来の知見とあわせ、膜骨格を形成するタンパク質がERで既に相互作用し、ERの品質管理を受けながら小さな骨格ユニットしてGolgiを経て細胞膜に輸送されることを示すものであり、今後、その形態学的な検証、細胞膜におけるユニットから膜骨格への再構成のメカニズム解明という新しい展開を提示するものである。また、本研究により小胞輸送やER関連分解についても新しい機構や未知の分子間相互作用の存在が実証され、これらについての解析を続けているところである。
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Research Products
(14 results)