2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19209004
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
二木 史朗 Kyoto University, 化学研究所, 教授 (50199402)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中瀬 生彦 京都大学, 化学研究所, 助教 (40432322)
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Keywords | アルギニン / 膜透過ペプチド / 細胞内情報伝達 / アクチン重合化 / マクロピノサイトーシス / 薬物送達 |
Research Abstract |
アルギニンペプチドの細胞内動態とペプチドにより誘導される細胞内情報伝達に関して、ペプチド内のアルギニン数が非常に重要であると共に、疎水性のアミノ酸が適当数存在することにより、さらに移行効率が高まることが分かった。特に、細胞表面への親和性の高さがマクロピノサイトーシスの誘導と細胞内取り込みに非常に重要な働きをすることを初めて明らかとした。また、培地中のペプチド濃度がある程度の閾値を超えると効率的なサイトゾルへのペプチドの拡散が見られるようになることも明らかとなった。 一方、申請者らにより示されたアクチンの重合化やRacの活性化は、アルギニンペプチドとの相互作用により、細胞内に何らかのシグナルが伝達されることを意味し、その相互作用を細胞内に伝える受容体の存在の可能性を示唆する。一方では様々なアルギニンに富むペプチドによってアクチン重合やマクロピノサイトーシスが誘導されることから、そのリガンド特異性は余り高くないことが予想される。細胞表面においてアルギニンペプチドと相互作用するタンパク質を光アフィニティーラベリングと二次元電気泳動、質量分析を併用するアプローチにより同定を行い、候補となる受容体が浮上した。現在、この受容体が真にアルギニンペプチドの取り込み活性化を招くのかに関して検討中である。 2008年6月に英国カーディフ大学で開催された「治療のための高分子の細胞内送達2008シンポジウム」に参加し、研究成果を発表した。
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Research Products
(6 results)