2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19209006
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Research Institution | National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities |
Principal Investigator |
富永 真琴 National Institutes of Natural Sciences Okazaki Research Facilities, 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 教授 (90260041)
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Keywords | 神経科学 / 生理学 |
Research Abstract |
TRPM2のインスリン放出への関与を確認する目的で、TRPM2欠損マウスの解析を開始した。TRPM2欠損マウスから調整した膵臓β細胞は温度刺激による細胞内Ca2+濃度上昇が起きないことを確かめた。糖負荷での細胞内Ca^<2+>振動を観察したところ、振動自体は野生型マウスのβ細胞とTRPM2欠損マウスのβ細胞で差はなかったが、GLP1によるCa^<2+>振動の増大が野生型マウスのβ細胞のみで観察された。膵島からのインスリン分泌を観察したところ、高グルコース投与でのインスリン分泌が野生型マウス膵島と比較して、TRPM2欠損マウス膵島で有意に減弱していることが観察された。しかし、GLP1を初めとする他のインスリン分泌刺激でのインスリン分泌量は野生型マウス膵島とTRPM2欠損マウス膵島で差はなかった。経口グルコース負荷試験、腹腔内グルコース負荷試験を行い、野生型マウスと比較してTRPM2欠損マウスで血糖上昇が大きく、低下もゆるやかであることがわかり、個体レベルでの血糖コントロールにTRPM2が重要な働きをしていることが強く示唆された。グルコース負荷試験での早期のインスリン分泌増加が野生型マウスに比べてTRPM2欠損マウスで有意に小さいことがら、グルコース負荷によるインスリン分泌不全が耐糖能異常をもたらしているものと考えられた。インスリン負荷試験を行ったところ、血糖値の低下がTRPM2欠損マウスで有意に小さかったことがら、TRPM2欠損マウスではインスリン抵抗性も発症しており、これも耐糖能異常に関わっているものと推定された。以上のことから、TRPM2を欠いたβ細胞、膵島でみられる糖負荷応答の異常によってTRPM2欠損マウスの耐糖能異常がもたらされていると考えられ、TRPM2のグルコース代謝における重要性が個体レベルで確かめられた。
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