2007 Fiscal Year Annual Research Report
Aktの新規基質Girdinとそのファミリー分子の機能多様性と病態における役割
Project/Area Number |
19209013
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
高橋 雅英 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40183446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 直也 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, COE特任准教授 (80273233)
榎本 篤 名古屋大学, 高等研究院, 特任講師 (20432255)
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Keywords | AKT / Girdin / 血管新生 / 細胞運動 / ノックアウトマウス / VEGF |
Research Abstract |
Akt-Girdinシグナル伝達系の血管新生における役割を、個体レベルで明らかにするためGirdin遺伝子のノックアウトマウスの作製を行った。Girdinノックアウトマウス(Girdin-/-マウス)は見かけ上は正常に生まれ、生後7日目頃まではwild typeのマウスと同様に成長した。しかし、Girdin-/-マウスは7日目以降は成長がとまり、生後25日目頃までに全例死亡した。マウスを解剖して検索したものの、出血、炎症、浮腫などの異常所見は見られず、死因を特定できなかった。 出生後のVEGF(血管内皮増殖因子)依存性の血管形成としては目の網膜血管が良く研究されている。そこで、生後3日目と7日目の網膜血管形成を調べたところ、Girdin-/-マウスではwild typeに比べ、約40%減少していることが明らかになった。また生後3日目の大脳における血管形成(VEGF依存性かどうかは明らかではない)についても検討した結果、Girdin-/-マウスにおいて約30%減少していた。また生後7日目の大動脈を採取し、コラーゲンゲル上で培養すると、VEGF依存性に毛細血管が伸長することが知られている。そこで、大動脈を7日間培養し、毛細血管のゲル内への伸長面積を調べた結果、Girdin-/-マウスの大動脈からの伸長は、wild typeに比べ約50%減少していた。以上の結果より、Girdinは出生後のVEGF依存性の血管新生に関与していることが明らかになった。
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