2007 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞のウイルスパターン認識分子による細胞性免疫活性化機構
Project/Area Number |
19209015
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀬谷 司 Hokkaido University, 大学院・先端生命科学研究院, 教授 (10301805)
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Keywords | Toll-like receptor / TICAM-1(TRIF) / NK activation / Dendritic cell / RNA adjuvant / antitumor therapy / interferon (IFN) / adoptive transfer |
Research Abstract |
IFN誘導性ウイルスRNA産物の合成と機能同定 ウイルスRNA産物の中にIFNを強く誘導する分子かおることが判明した。ウイルスRNAとpolyI:Cを基準物質とし、樹状細胞を成熟化してNK活性化に導く活性がRNAアジュバントにあるかどうかを検証した。この研究を進める研究員をH20年4月から雇用し、6か月をかけて以下の成果を得た。また、RNA誘導体の合成は量的に少なかったため、polyI:Cの結果と比較するまでに至らなかった。最善の合成可能な小分子RNAの毒性試験はマウス投与を行って決定する予定である。 1.NK活性化に必要な樹状細胞因子群:マウス樹状細胞(mDC)にTICAM-1依存性に発現する膜分子をgenechip subtractionで2つ同定できた。これらをlentivirus vectorで未成熟樹状細胞(immature mDC)に発現するとNK活性化を亢進した。siRNAを使ったloss-of-function studyでTICAM-1依存性のNK-driving活性がmDCから消失することを確認した。この分子(Gene X)を樹状細胞に発現させて担がんマウスに局注するとがんが著しく退縮した。以上から細胞性免疫の活性化に寄与する樹状細胞の膜分子の同定に成功した。 2.NK活性化を指向する樹状細胞応答の分子機能的解析:mDCがgene Xを発現するためにはRNA刺激が必要であることが証明できた。このgene X誘導はTICAM-1-/-,IRF-3-/-樹状細胞で喪失したが、IRF-7-/-,MyD88-/-樹状細胞では正常に誘導された。従って、mDCからNK活性化のルートはTICAM-1-IRF-3経路にあり、樹状細胞特異的に膜分子が誘導されるという新規データが得られた。現在これらの経路と分子を同定しつつある。
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Research Products
(5 results)