2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19209018
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
西尾 和人 Kinki University, 医学部, 教授 (10208134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒尾 徳三 近畿大学, 医学部, 講師 (20441074)
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Keywords | 血管新生 / 薬剤耐性研究 / バイオマーカー / 血管新生阻害薬 |
Research Abstract |
研究名「血管新生阻害薬の耐性研究」は、予定通り順調に進行している。 (1)不死化HUVEC株を用いてVEGFR2チロシンキナーゼ阻害剤に対する薬剤耐性血管内皮細胞株(薬剤耐性HUVEC)を樹立した。薬剤耐性HUVECに対してrealtime-PCRで遺伝子発現変化を検討した。薬剤耐性HUVECは親株と比較してVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3、FGF7、ANGPT2、PGF、ECGF1、PDGF-PDGFRの発現亢進が認められた。興味深いことにANGPT1およびc-kitのみ耐性株で減少していた。血管内皮細胞の薬剤耐性獲得においては薬剤による阻害効果を回避する「escape現象」が主なメカニズムであることを初めて直接示した(投稿準備中)。 (2)担癌マウスモデルにおいては、VEGFR2チロシンキナーゼ阻害剤投与により、VEGFR2^+CD45^<dim>phosphotyrosine^+細胞およびVEGFR2^+ phosphotyrosine^+細胞の減少が示され、薬力学的バイオマーカーとしての有用性を明らかにした(国際特許準備中、投稿準備中)。 (3)臨床におけるCEPの検討では、VEGFR2チロシンキナーゼ阻害剤に対する臨床試験において、CD34^+CD45^<dim>CD133^+CD117^-分画が治療後に有意に増加し(p<0.001)、CD34^+CD45^<dim>CD133^-CD117^+分画が治療後に有意に減少する(p<0.01)ことを明らかにした。さらに治療効果群での変化は、症例は少ないが有効群において無効群に比べてCD34^+CD45^<dim>CD133^+CD117^+細胞分画が有意に減少した。 VEGFR2チロシンキナーゼ阻害剤に対して実際の臨床検体を用いてCEP (CD133, CD117)が薬力学的バイオマーカーとなることを明らかにした(国際特許準備中、投稿準備中)。
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