2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19209018
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
西尾 和人 Kinki University, 医学部, 教授 (10208134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒尾 徳三 近畿大学, 医学部, 講師 (20441074)
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Keywords | 血管新生阻害薬 / 薬剤耐性 / マイクロアレイ / バイオマーカー / 循環血液中血管内皮前駆細胞 / CD133 / CD117 / c-kit / VEGFR-2 |
Research Abstract |
研究名「血管新生阻害薬の耐性研究」の主な結果を下記に示す。 (1)国内外で初めてVEGFR2チロシンキナーゼ阻害薬耐性血管内皮細胞の樹立に成功し、分子細胞学的な血管新生阻害薬の耐性メカニズムを明らかにした。すべての耐性クローンはVEGF刺激に対する細胞増殖能が低下していた。2つの耐性クローンでVEGFR2の発現が著明に低下しておりVEGFR2シグナルへの反応が極端に低下していた。マイクロアレイによる親株-耐性株間における遺伝子発現変化検討では、すべての耐性クローンにおいてPECAM1/CD31を含む血管新生関連遺伝子発現が著明に低下しており、VEGFR2発現抑制およびVEGFR2シグナル依存からのエスケープ現象がVEGFR2チロシンキナーゼ阻害薬の耐性メカニズムのひとつであることを明らかにした。この結果は血管新生治療耐性に対する新しい治療アプローチにつながり、臨床的にも重要であると考えられる(投稿中)。 (2)担癌マウスモデルにおいては、新規VEGFR2チロシンキナーゼ阻害剤BIBF1120投与により、末梢血のVEGFR2^+CD45^<dim> phosphotyrosine^+細胞およびVEGFR2^+ phosphotyrosine^+細胞の減少が示され、薬力学的バイオマーカーとしての有用性を明らかにした(国際特許出願、投稿中)。 (3)第I相臨床試験における循環血液中血管内皮前駆細胞(CEP)の検討では、VEGFR2チロシンキナーゼ阻害剤BIBF1120治療により末梢血CD34^+CD45^<dim>CD133^+CD117^-分画が治療後に有意に増加し(p<0.001)、CD34^+CD45^<dim>CD133^-CD117^+分画が治療後に有意に減少する(p<0.01)ことを明らかにした。実際の臨床検体を用いてCEP(CD133,CD117)が薬力学的バイオマーカーとなることを明らかにした(国際特許出願、投稿中)。
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