2008 Fiscal Year Annual Research Report
発光性アプタマーを用いる異常プリオンタンパク質の新検査法の開発
Project/Area Number |
19209020
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
甲斐 雅亮 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00160953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 孝之 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (10448491)
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Keywords | プリオン / アプタマー / 感染症 / タンパク質 / 核酸 / 物理化学的性質 / 発光検出 / マイクロアレー |
Research Abstract |
クロイツフェルト・ヤコブ病や牛海綿状脳症(狂牛病)などのプリオン病は、異常型プリオンタンパク質の凝集により発症すると考えられている。この異常型プリオンタンパク質の新検査法に用いるアプタマーを開発するために、組み換えプリオンタンパク質の精製法と、その物理化学的性質を調べた。マウスプリオンタンパク質(mPrP)のcDNAを発現用ベクターに組み込み、大腸菌内で、マルトース結合性タンパク質(MBP)と融合したmPrPのタンパク質(MBP-mPrP)を発現させた。次に、発現培養後の大腸菌を超音波或いは低張ホモジナイズの2種類の方法で破砕後、それらの抽出液中のMBP-mPrPをアフィニティーカラムクロマトグラフィーによって精製した。さらに、酵素によってMBPを切断して、mPrPを析出物として精製した。超音波破砕の抽出液から得たmPrP[mPrP(son)]と低張ホモジナイズ液から得たmPrP[mPrP(hom)]の溶解度を各種溶媒に対して調べたところ、両mPrPとも、水や緩衝液に対して極めて低い溶解性を示した。しかし、SDSや塩酸グアニジンなどの可溶化剤を含む水溶液に対しては、mPrP(hom)の溶解度はmPrP(son)より高くなった。また、両mPrPをproteinase Kで消化したところ、mPrP(son)の分解速度は、mPrP(hom)に比べて遅くなった。以上の結果は、超音波刺激がmPrPの物理化学的性質に影響を与えることを示している。今後、超音波刺激によるmPrPの立体構造や溶解性に与える影響を詳細に調べ、固相膜に吸着した異常及び正常のマウスプリオンタンパク質の物理化学的な性質の違いに基づき、それらと特異的に結合するアプタマー開発へ進展させる。
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Research Products
(16 results)