2009 Fiscal Year Annual Research Report
発光性アプタマーを用いる異常プリオンタンパク質の新検査法の開発
Project/Area Number |
19209020
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
甲斐 雅亮 Nagasaki University, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00160953)
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Keywords | プリオン / アプタマー / 感染症 / タンパク質 / 核酸 / マイクロアレイ / 発光検出 |
Research Abstract |
クロイツフェルト・ヤコブ病や牛海綿状脳症などのプリオン病は、異常プリオンタンパク質の凝集が原因と考えられている。この異常プリオンタンパク質の新検査法を開発するために、DNAアプタマーを用いた組み換えマウスプリオンタンパク質(mPrP)の検出を試みた。精製したmPrPをPVDF膜に固定化後、167nMアプタマーを含む1×PBS(pH7.4)に浸し、mPrPとアプタマーを結合させた。mPrPと結合したアプタマーの検出は、研究代表者が開発した核酸中のグアニンと特異的に反応して化学発光する化学発光試薬(TMPG)を用いて行った。その結果、アプタマーによって膜上のmPrP(5-20μg/spot)を検出することができた。このとき、同時に膜に固定化したウシ血清アルブミンやカゼイン(20μg/spot)などのタンパク質は、アプタマーによって検出されなかった。これらの結果は、アプタマーによって、PrPを特異的に検出できることを示している。また、TMPG化学発光反応において、5'末端をFITC標識したDNAを用いた場合、非標識DNAと比較して、約5-10倍の化学発光強度の増大が観察された。そこで、FITC標識アプタマーを用いて同様にmPrPを検出したところ、非標識アプタマーと比較して、約2.5倍化学発光強度が増大した。現在、FITC標識アプタマーとmPrPの結合反応条件を検討中である。 次に、異常プリオンタンパク質を作製するために、mPrPを0.3mM塩化銅水溶液で処理したところ、proteinase K抵抗性のmPrP(mPrP^<Res>)を得た。用いる試薬の濃度や結合時間、洗浄液などの検出条件を検討し、アプタマーを用いたPrPの高感度な検出を行うとともに、mPrP^<Res>を用いて異常プリオンタンパク質の特異的な検査法の開発を行う。
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Research Products
(12 results)