2010 Fiscal Year Annual Research Report
発光性アプタマーを用いる異常プリオンタンパク質の新検査法の開発
Project/Area Number |
19209020
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
甲斐 雅亮 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (00160953)
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Keywords | プリオン / アプタマー / 感染症 / 核酸 / タンパク質 / 発光検出 / マイクロアレイ / 物理化学的性質 |
Research Abstract |
クロイツフェルト・ヤコブ病や牛海綿状脳症(狂牛病)などのプリオン病は、正常なプリオンタンパク質(PrP^C)が構造的に変化し、プロテアーゼ抵抗性の異常プリオンタンパク質(PrP^<Sc>)が生成・凝集することで発症すると考えられている。この異常PrPの新検査法を開発するために、プロテアーゼ抵抗性マウスプリオンタンパク質(mPrP^<Res>)の作製とDNAアプタマーを用いたmPrPの検出を行った。精製したmPrP^CとCuCl_2を混合し、4℃で静置することで、proteinase K分解に対して抵抗性を示すmPrP^<Res>を作製した。次に、mPrP^CとmPrP^<Res>をPVDF膜上に固定化後、mPrP^Cを認識するDNAアプタマーと結合反応を行ない、mPrPと結合したアプタマーを検出した。研究代表者が開発した化学発光試薬(TMPG)を用いてアプタマーを化学発光検出したところ、膜上のmPrP^Cのみが検出できた。この結果は、アプタマーによって立体構造の異なるPrPを特異的に認識できることを示唆するものである。今後、PrP^<Sc>やPrP^<Res>に対するアプタマーを開発し、異常プリオンタンパク質の特異的な検出法を開発する予定である。 次に、PrPの高感度検出を目的として、研究代表者が開発した高分子プローブ(HRP標識ビオチン化デキストランプローブ)と抗体を用いて、膜上のmPrP^Cを検出できるか調べた。抗PrP抗体を一次抗体として、ビオチン化二次抗体と高分子プローブを用い、使用する試薬の種類や濃度、洗浄条件などを検討した結果、1ngのmPrP^Cを検出することができた。この高分子プローブは、抗体以外にもビオチン化分子の検出に応用できるので、このプローブとビオチン化アプタマーを組み合わせたPrPの超高感度検出法の開発を行なう予定である。
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Research Products
(24 results)