2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19209025
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
竹下 治男 Shimane University, 医学部, 教授 (90292599)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 年博 福井大学, 医学部, 教授 (80175645)
高塚 尚和 島根大学, 医学部, 准教授 (40242490)
藤原 純子 島根大学, 医学部, 助教 (20346381)
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Keywords | DNase I / DNASE1 / 癌 / 心筋梗塞 / 疾患感受性遺伝子 / 民族頻度分布 / Database / 遺伝的多型 |
Research Abstract |
DNase Iは遺伝的多型形質であり、アミノ酸置換Q222Rに基づく2個の対立遺伝子DNASE1*1および*2によって決定される3つの主要表現型1,1-2および2型に分類される。近年、癌や心筋梗塞に関与する疾患感受性遺伝子としてDNase Iは報告されている。しかしながら、日本人以外の民族頻度分布はほとんど調査されていない。本年度は、DNase I多型のDatabaseを確立するため、広範囲な世界集団における頻度分布調査を実施した。併せてDNase 1型および2型酵素の生化学的性状の差異について精査した。その結果、最初に民族間ではその分布に明らかな相違が認められた。アジア人ではDNASE1*1の頻度はDNASE1*2のそれに比べ若干高かったが、アフリカ人ではDNASE1*1が極めて高頻度に分布していた。これとは対照的に、コーカシアン人におけるDNase I多型の分布はDNASE1*2に大きく偏っていた。このように、民族間でDNase I多型の分布に大きな偏りがあり、それぞれ民族特異的な分布を示すことが明らかとなった。次に、1型および2型の発現ベクターをCOS-7細胞に遺伝子導入し、産生されたDNase I酵素について生化学的諸性状を精査した。酵素活性について、2型酵素は1型のそれに比べ強い活性が認められ、熱耐性度においても2型酵素は1型酵素よりも熱に安定であった。他方、酸耐性度において有意な差異は認められなかったが、最適pHについて調べたところ、2型酵素は6.5および1型酵素は6.75であり、差異が見られた。以上の知見は疾患感受性遺伝子DNase Iの本態解明の一助になり得るものと考えられる。
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Research Products
(12 results)