2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19209026
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平田 結喜緒 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50135787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七里 眞義 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (10206097)
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Keywords | バイオインフォマティクス / ペプチドライブラリー / in silico / 生理活性ペプチド / 機能解析 / ペプチド性ホルモン |
Research Abstract |
研究代表者・分担者らがこれまでに開発してきた「In silicoペプチド探索法」を用いた、新規生理活性ペプチドの新たな同定手法を用いて、有用な因子を見出すためにヒトゲノム・cDNA資源データベース情報をバイオインフォマティクス解析し、分泌性蛋白がプロセシングを受けて生合成されるであろう配列のペプチドを簡易合成してペプチドライブラリーの充実を継続してきた。こうした手法によるこれまでの解析で発見した多くのペプチド性因子について、ペプチド医薬品としての開発研究を進めるに当たって、有望な因子を選択して機能解析を進めてきた。その検討の過程で、有用と期待される複数のペプチド性因子が、これまでどの生理活性ペプチドにも見られなかった特異な物理化学的性状を有していることが判明した。具体的にはポリプロピレン、ポリスチレンやガラス製品のいずれにもきわめて吸着性か高いために、ヒトの血液や尿中に存在するこれらのペプチドを解析する過程で、試験管壁やチューブに吸着して検出が困難となってしまうため質量分析、クロマトグラフィー解析が容易ではなかった。以前に見出したサリューシン-βについてもこのような性状かおり、海外でもさかんに議論されてきたが原因がわからなかったが、今回の検討で上述の事実を明らかにすることができた(Shichiri M et al,Nature Medicine 2007;13:661-2)。このような特徴を有するペプチド性因子は、古典的な生理活性因子の同定法はもちろん、オーファン受容体を用いたリガンド同定法で発見することもきわめて困難であることは明白であり、未知因子の同定に本法の必要性が示される結果となった。なお、今回、研究中の生理活性ペプチド性因子の溶解液にNP40やTween20などを添加してこの問題を克服できることがわかった。
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