2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19209026
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
平田 結喜緒 Tokyo Medical and Dental University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50135787)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
七里 眞義 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (10206097)
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Keywords | バイオインフォマティクス / ペプチドライブラリー / in silico / 生理活性ペプチド / 機能解析 / ペプチド性ホルモン |
Research Abstract |
ヒトゲノム・cDNA資源データベース情報をバイオインフォマティクス解析し、分泌性蛋白がプロセシングを受けて生合成されるであろう配列のペプチドを簡易合成してペプチドライブラリーを作成してきた。これらを用いて動脈硬化制御、循環動態制御、ホルモン分泌・抑制作用などの作用について簡易的かつ効率的に機能解析することから開始し、機能を有するであろうものについては特定の臓器だけを標的とすることなく詳細な生体内作用の機能解析を行って様々な生理活性について検討した結果、複数の活性を示す生理活性候補因子を多数見出すことができた。これらの中から、ヒトの病態生理学的意義の大きいものに焦点を絞って、特にペプチド創薬の観点から有用なものを新規生理活性因子としてその病態生理学的役割の基盤研究を重点的に検討してきた。現時点で、これまでにない中枢性作用を示すもの、新規血管新生制御作用を示すものなど、いくつもの内因性ペプチド性リガンドを見出しつつあり、それらのヒト体液中での正確な分子存在様式を確認することと併行して、哺乳動物主要臓器における受容体の分布や生体内作用に加えて、物理化学的特性も含めて広範な検討を行ってきた。これらのリガンドのいくつかは、従来の因子にも見られなかったような特異な吸着性を有していることが明らかとなり、これらの性質を回避する手技を見出すことにより、新規因子の構造・機能・発現・特性についての新知見を多数得ることができた。我々の開発したin silicoペプチド探索法は、従来のreverse pharmacologyの手法では発見できなかったペプチド性リガンドを発見するには特に有効な手段であることが考えられる。
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