2007 Fiscal Year Annual Research Report
HGFによる肝発生・分化制御機序解明に基づく肝再生医療基盤技術創出
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19209028
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坪内 博仁 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60145480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井戸 章雄 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30291545)
桶谷 眞 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50274816)
宇都 浩文 鹿児島大学, 大学院・医学歯学総合研究科, 講師 (20347058)
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Keywords | 肝細胞増殖因子(HGF) / 肺高血圧症 / 肝星細胞 / 腎メサンギウム細胞 / 臓器線維化 |
Research Abstract |
今までに、肝細胞増殖因子(HGF)はin vivoにて肝硬変ラットにおける著しい肝再生促進効果、炎症性腸疾患ラットの腸粘膜の修復促進効果を見出した。また、HGFは肝星細胞の増殖を抑制する可能性を見出し、その分子機構や肝発生および肝細胞分化におけるHGFの作用機序もマイクロアレイ解析などで検討中である。さらに、HGFは抗Fas抗体誘導急性肝不全マウスのアポトーシスを抑制することを明らかにし、HGFが肝再生だけでなく、抗炎症作用や抗アポトーシス作用などを持つことを明らかにしている。しかし、肺高血圧や腎臓線維化に対する分子機序は十分明らかになっていない。そこで、肺高血圧モデルラットにHGFを1週間持続投与し、血行動態に与える影響、組織学的変化、血管作動物質の変化を検討した。HGFを肺高血圧モデルラットに投与すると肺高血圧の上昇が抑制され、組織学的には、肺動脈壁肥厚が抑制され、生存期間も延長した。また、肺動脈内皮のeNOSの発現、6-keto-PGFlaの血中濃度はHGF投与による変動はなく、肺動脈圧の抑制には血管作動性物質以外の作用が考えられた。さらに、肺動脈壁肥厚の抑制にHGF投与による肺組織中のPDGF発現抑制が関与すると考えられた。次に、腎の線維化に関連する腎メサンギウム細胞にHGFを添加し、その作用を検討した。in vitroの検討では、ヒトメサンギウム細胞に対して、HGFは濃度依存的に細胞の増殖を抑制し、現在、その作用機序をプロテオーム解析などで検討中である。なお、HGFの肝発生および肝細胞分化における作用と肝臓以外の臓器や細胞に対する多彩な作用機構との相違点なども今後検討する予定である。現在、遺伝子改変動物も作成中である。
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Research Products
(4 results)