2008 Fiscal Year Annual Research Report
HGFによる肝発生・分化制御機序解明に基づく肝再生医療基盤技術創出
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19209028
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坪内 博仁 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60145480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井戸 章雄 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30291545)
桶谷 眞 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50274816)
宇都 浩文 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20347058)
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Keywords | 肝細胞増殖因子(HGF) / tight juction protein / 細胞遊走 / epithelial restitution |
Research Abstract |
上皮間葉移行(epithelial to mesenchymal transition;EMT)は上皮細胞が間葉系様細胞に形態変化する現象であり、初期胚発生における原腸陥入、神経提細胞の運動や器官形成過程において重要であり、肝細胞増殖因子(HGF)はごく限られた細胞にEMTを誘導する。また、上皮細胞が分化転換transdifferentiationする際には、細胞形態の変化がおこり、細胞接着蛋白の発現は消失するが、HGFは消化管粘膜傷害直後に誘導されるepithelial restitutionに必須の因子とされている。本研究において、HGFがtight junction protein(TJP)の一つZO-1の細胞内局在を変化させて細胞分散に影響を与えていることを明らかにした。また、ヒト胃粘膜上皮細胞MKN74にHGFを添加すると、細胞遊走は用量依存性に促進され、claudin-1、3、4、7、OCLDN、ZO-1の発現には影響はなく、細胞膜に局在したZO-1が細胞質に移動し、ZO-1の細胞膜画分は減少し、細胞質画分が増加していた。さらに、ZO-1/OCLDNのinteractionは減少し、OCLDNのチロシンリン酸化が亢進していた。これらのことから、傷害粘膜で誘導されたHGFは、OCLDNのチロシンリン酸化を誘導してZO-1をOCLDNから解離させ、epithelial restitutionを誘導していると考えられた。HGFは肝臓だけでなく様々な臓器や細胞に対する多彩な作用を有しており、今までに検討している肺高血圧モデルラット、ヒトメサンギウム細胞などを用いたHGFの作用機序解明に加え、本年度に追加して行ったHGFとEMTとの関連の検討なども加味し、肝発生及び肝細胞分化におけるHGFの作用機序との相違点なども今後検討する予定である。遺伝子改変動物の検討も加える予定である。
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Research Products
(6 results)