2009 Fiscal Year Annual Research Report
HGFによる肝発生・分化制御機序解明に基づく肝再生医療基盤技術創出
Project/Area Number |
19209028
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
坪内 博仁 Kagoshima University, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60145480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井戸 章雄 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (30291545)
桶谷 眞 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (50274816)
宇都 浩文 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20347058)
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Keywords | 肝細胞増殖因子(HGF) / iPS細胞 / 肝細胞分化 / 上皮間葉転換 / 細胞移植 |
Research Abstract |
誘導型多能性幹細胞(induced pluripotent stem cell : iPS細胞)は特定の遺伝子を導入して樹立された細胞で、種々の細胞への分化能を有する。iPS細胞における肝細胞への分化誘導には内胚葉細胞、肝内胚葉細胞および肝前駆細胞の誘導、さらに肝細胞の成熟化という多段階の過程が必要である。本研究では、iPS細胞のembryoid bodyにActivin A、bFGF、その後、BMP-2+FGF-4を添加して誘導した肝内胚葉細胞にHGF(100ng/mL)を添加すると肝細胞マーカーであるアルブミンとαフェトプロテイン(AFP)を高発現する細胞が誘導されることを見出した。また、HGFで誘導されたアルブミン、AFP発現細胞ではE-cadherinなどの上皮系マーカーの発現が上昇し、HGFが肝内胚葉細胞からの肝細胞分化に必須の因子であることを明らかにした。さらに、肝内胚葉細胞から上皮系細胞(肝細胞)に分化せずに間葉系細胞に留まる(または分化する)ことを阻害することでHGFによるより高効率な肝細胞分化誘導法を確立するために、上皮-間葉転換(epithelial-mesenchymal transition)阻害薬SB431542をHGFと同時に添加したが、肝細胞分化マーカーの発現増強はみられなかった。一方、肝内胚葉細胞ではDlk1が発現されているが、EpCAM発現が見られないことから、肝内胚葉細胞には肝芽細胞が存在する可能性が考えられた。この肝芽細胞を単離してHGFの肝細胞分化メカニズムの解明を進めているが、本研究の成果はHGFを用いた高高率な肝細胞分化誘導による難治性肝疾患に対する細胞移植医療への分子基盤となることが期待される。
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Research Products
(12 results)