2010 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性多腺性内分泌不全症・カンジダ症の感染防御障害機構
Project/Area Number |
19209037
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
永淵 正法 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (00150441)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗崎 宏憲 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教 (70403962)
光山 正雄 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10117260)
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Keywords | 自己免疫調節遺伝子(Aire) / カンジダ感染 / Bリンパ球 / microRNA / T細胞 / 樹状細胞 |
Research Abstract |
感染防御に関るAIRE遺伝子の意義について、ヒト末梢血における遺伝子と蛋白の発現、その制御、機能解析を目指して研究を行い、同時に、Balb/cマウスを用いて、カンジダ感染防御メカニズム解析研究を遂行中である。 末梢血では、CD4+T細胞、樹状細胞、Bリンパ球においてAIRE遺伝子が発現していることを報告してきたが、フィニティ純化C-末端ペプチド抗体を用いて、Western blotを行ったところ、AIRE遺伝子を導入したOTC-4細胞(陽性コントロール)および樹状細胞では.58kDaのAIRE全蛋白と45kDaのAIRE-2のスプライスバリアントと思われる蛋白を検出したのに対し、EBV-B細胞では、45kDaのフラグメント蛋白のみを検出した。 一方、D4+T細泡では遺伝子発現は明らかに陽性であるが、蛋白発現は抑制されていることが明らかとなってきた。CD4+T細胞における遺伝子発現と蛋白発現の乖離の原因として、細胞周期、蛋白分解の影響は軽微であることが示唆されたので、その制御に関る可能性として翻訳阻害に関るmicroRNAの探索を行ったところ、CD4+T細胞に特異的に高く発現しているmicroRNA (HAS-anti-AIRE仮称)を同定した。このmicroRNAがAIRE蛋白の発現制御に関る可能性を検証している段階である。 以上、AIRE蛋白の表出については、これまでの知見から、AIRE蛋白を発現する細胞の種類によって、AIRE蛋白の作用が異なる可能性を示唆している。 そこで、次のステップとして、マウスでの検討とともに、AIRE蛋白を表出している生理的な細胞毎にそれぞれ、免疫沈降法を用いて、AIRE蛋白と相互作用する蛋白のマススペクトロメトリー解析を行い、その同定を行う必要がある。また、クロマチン免疫沈降法を用いた、転写因子としての標的遺伝子探索を行うべきであると考えている。
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Research Products
(11 results)