2007 Fiscal Year Annual Research Report
成体由来幹細胞からの三次元心筋組織作製法の開発と臨床応用
Project/Area Number |
19209047
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
黒澤 博身 Tokyo Women's Medical University, 医学部, 教授 (50075511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斎藤 聡 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (60246551)
坂本 貴彦 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (80246553)
松村 剛毅 東京女子医科大学, 医学部, 助教 (20297469)
川口 奈奈子 東京女子医科大学, 国際統合医科学インスティチュート, 講師 (10200700)
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Keywords | 再生医療 / ティッシュエンジニアリング / 幹 細胞 / 心筋 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
ラット成体心臓にある幹細胞(c-Kit陽性細胞)を生体内に移植すると、心筋細胞に分化して心筋細胞の機能を獲得することが米国の研究者たちによって報告された(Cell,114,2003)。我々は、このような幹細胞または、心筋前駆細胞(progenitor cell)を分離して、どのような性質をもつ細胞が拍動する心筋細胞に分化し得るか、またそれを不全心(心筋梗塞巣境界領域など)に移植した際に心機能を回復させるかを研究している。現在、ラットのc-Kit陽性細胞を分離・培養して60代以上継代培養可能な細胞を14種類以上得た。それぞれをクローニングして、200種類以上の心臓由来幹細胞様細胞を樹立した。これらの細胞は、stemness(幹細胞らしさ)遺伝子を発現しており、複数の分化した細胞に分化が可能であることが分かった。また、得られたクローン化細胞の中にcardio-shpereと呼ばれる細胞塊として増殖するものも存在した。特に、心筋の形成に重要な転写因子の一つであるGATA4の発現の高い細胞に注目してin vitroで分化誘導を行ったところ、拍動する心筋細胞を得ることに成功した。今後、得られた細胞を用いて心筋特異的なタンパクを発現させる、最も有効な移植細胞の同定と細胞の樹立方法の確立を目指す。幹細胞から心筋細胞への分化に関する分子を解析することで、不全心に対する有効な遺伝子導入法や新たな薬物療法の開発など、新たな治療法開発が期待できる。
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