2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19209049
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
池川 志郎 The Institute of Physical and Chemical Research, 骨関節疾患研究チーム, チームリーダー (30272496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古市 達哉 独立行政法人理化学研究所, 骨関節疾患研究チーム, 上級研究員 (30392103)
稲葉 郁代 独立行政法人理化学研究所, 骨関節疾患研究チーム, リサーチアソシエイト (60415081)
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Keywords | 脊椎脊髄病学 |
Research Abstract |
骨・関節の代表的common diseaseである椎間板変性症/腰椎椎間板ヘルニアの原因遺伝子(疾患感受性遺伝子)の同定、及び椎間板ヘルニアの発症機構、病態の分子レベルでの解明の為に同定した原因遺伝子、疾患感受性多型の機能解析を行なった。その結果、以下の成果を得た。 1)新規の椎間板変性症の原因遺伝子THBS2遺伝子とMMP9遺伝子を同定した(Hirose et al.Am J Hum Genet,2008)。THBS2遺伝子は椎間板に発現することや、THBS2タンパク質の異常が脊椎の変形をきたすことが知られていたので、Case-control相関解析を行ったところ、ある多型に強い相関が見つかった。この多型の感受性アレルを持つ人は、持たない人に比べ、約1.4倍も椎間板ヘルニアになりやすいことがわかった。この感受性アレルでは、遺伝子が転写される際に異常なスプライシングが起こり、その結果、細胞外基質分解酵素であるMMPとの結合が低下することを証明した。MMP9遺伝子においても同様のケース・コシトロール相関解析を行ったところ、MMP9遺伝子内のある多型にも強い相関が見つかった。THBS2、MMP9両遺伝子内に多型の感受性アレルを持つ人は、持たない人に比べ、約3.0倍も椎間板ヘルニアになりやすいことがわかった。 2)香港大学との共同研究で、Case-control相関解析により、椎間板変性症の原因遺伝子アスポリンを同定した(Song et al.Am J Hum Genet,2008)。先に、変形性関節症の疾患感受性遺伝子として我々が同定したアスポリンのD14多型(Kizawa et al.Nat Genet,2005)が日本人集団でも、香港周辺の中国人集団でも椎間板変性と有意に相関することがわかった。アスポリンは、椎間板でも発現が上昇していた。
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Research Products
(6 results)