2007 Fiscal Year Annual Research Report
麻酔薬シグナル伝達機構におけるナトリウムカリウムポンプの役割とその構造変化の解析
Project/Area Number |
19209050
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
土肥 修司 Gifu University, 大学院・医学系研究科, 教授 (40155627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田辺 久美子 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30402209)
柳舘 富美 岐阜大学, 医学部附属病院, 助教 (60313889)
杉山 陽子 岐阜大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (70444255)
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Keywords | 麻酔薬 / NA+-K+ATPase / CCC / 細胞内シグラル伝達 / MAPキナーゼ |
Research Abstract |
全ての細胞にとって重要なイオントランスポーターであるNa+-K+ATPase(Na+-K+pump)は、Skou JCが1997年のその発見でノーベル化学賞を得て以来10年を過ぎ、その重要性はさまざまな面から研究されている。麻酔薬のNa+とK+の濃度を調節・抑制しているNa+-K+ATPaseが麻酔薬によってどう影響されるかは研究されていない。本研究は、麻酔作用の重要なターゲットである脊髄前角の運動ニューロンと脊髄後根神経節ニューロンとの対比の上で、その麻酔薬の抑制機構におけるNa+-K+ATPaseとイオントランポーターの役割を検討した。 1.ATP感受性カリウムチャネル(K+ATP)への作用する薬、nicorandilがMPKキナーゼのリン酸化の抑制し、この抑制は細胞内Ca2+濃度の抑制による。 2.重要なストレス蛋白で低分子量HSPの一つであるHSP27ラットグリア(C6)細胞における検討し、α2受容体のアゴニストがの発現レベルおよびforskolinなどによるそのリン酸化促進を抑制した。 3.Na+-K+ATPaseのin vivoにおける脊髄鎮痛機構における役割に続いて、Cation-Chloride Cotransporters(CCC)の役割をそのInhibitorであるflosemideのラット脊髄くも膜下腔に投与し、行動変化を観察した。CCCinhibitorがラットの疼痛刺激に対する閾値を低下させずに、切開手術モデルの痛みを抑制したことを見出した。更に、脊髄スライス標本を使用して、脊髄後角ニューロンのMAPキナーゼの活性を検討している。 脊髄疼痛抑制機構におけるイオントランスポーターの役割に関する研究は、世界的にも始まったばかりであり、CCCは、手術切開モデルでは切開部周辺の痛覚過敏に関与していることが推測され、これはインパクトの与える研究成果であると考えている。
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Research Products
(2 results)