2007 Fiscal Year Annual Research Report
う蝕原性細菌における循環器疾患に対する病原因子の解析
Project/Area Number |
19209063
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大嶋 隆 Osaka University, 歯学研究科, 教授 (80116003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲野 和彦 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (00379083)
野村 良太 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (90437385)
中川 一路 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70294113)
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Keywords | う蝕 / 循環器疾患 / Streptococcus mutans / 分子生物学 / ゲノム解析 |
Research Abstract |
う蝕の主要な病原細菌であるStreptococcus mutansは,感染性心内膜炎患者や菌血症患者の血液から分離されることがある.これまでに,心臓弁組織や大動脈瘤組織においてS. mutansのDNAが高い頻度で検出されることを示してきた.本研究では,組織自体にS. mutans菌体が存在するか否かを検討することとした.分析には,大阪府内の心臓血管外科から供与を受けた大動脈瘤検体を用いた.まず,それぞれの検体の薄切切片を作製し,ヘマトキシリン・エオジン(HE)染色およびグラム染色を施した.HE染色において,それぞれの組織が典型的な動脈瘤組織であることを確認した後,グラム染色において,グラム陽性の球菌様の像を呈する症例を選択した.それぞれの組織から細菌DNAを抽出し,菌種特異的プライマーを用いる方法とBroad-range PCR法を用いた分析を行った.その結果,S. mutansが最も高い割合で検出され,同菌が動脈瘤病変形成において,何らかの役割を果たしている可能性があることが示唆された.また,動脈瘤以外の循環器系の疾患とS. mutans菌体の存在に関する分析も継続している.さらに現在,S. mutans臨床分離株におけるゲノム解析が,計画全体の約半分ほど進行している.今後データベース上のS. mutans菌株や様々な菌種のゲノム情報と比較することにより,循環器系における病原性に関与する因子の特定につなげたいと考えている.
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Research Products
(4 results)