2008 Fiscal Year Annual Research Report
う蝕原性細菌における循環器疾患に対する病原因子の解析
Project/Area Number |
19209063
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大嶋 隆 Osaka University, 大学院・歯学研究科, 教授 (80116003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲野 和彦 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (00379083)
野村 良太 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (90437385)
中川 一路 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (70294113)
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Keywords | う蝕 / 循環器疾患 / Streptococcus mutans / 分子生物学 / ゲノム解析 |
Research Abstract |
主要なう蝕原性細菌として知られているStreptococcus mutansは,感染性心内膜炎の起炎菌となり得ることも知られている.近年,歯周病原性細菌と様々な循環器疾患との関連が報告されているが,S. mutansの検出に関する報告はあまりなされていない.そこで本研究では,心臓弁膜症や大動脈瘤などの各種循環器疾患病変部組織と同患者デンタルプラークにおいて,S. mutansをはじめとした各種口腔細菌の分布の分析を行うこととした.分析には,冷凍保管されている循環器系病変部組織のうち,2004年〜2007年にかけて施術された手術において摘出された心臓弁117検体および大動脈瘤86検体を対象とした.また,これらの手術を受けた患者のデンタルプラーク58検体も分析対象とした。まず,分子生物学的手法を用いて各種口腔細菌の分布を検討すると,S. mutansの検出率が最大であった.一方で,心臓弁検体および大動脈瘤検体に対する解剖学的部位ごとの検出頻度には有意差が認められなかった.またBrad-range PCR法を用いて分析した結果でも,循環器疾患病変部組織では,S. mutansの割合が最も多く認められた。S. mytans陽性検体の血清型分布を分析すると,循環器疾患患者より得られた病変部の検体もデンタルプラーク検体においても,健常人の口腔における分布とは明らかに異なり,c型以外のものが多く認められた。さらに、従来の分類(c/e/f/k)に当てはまらない検体も存在していた.これらのことから,S. mytansは他の菌種よりも容易に血液中に侵入しやすく,その表層抗原の変異が何らかの関わりをもっている可能性が示唆された.
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Research Products
(4 results)