2009 Fiscal Year Annual Research Report
う蝕原性細菌における循環器疾患に対する病原因子の解析
Project/Area Number |
19209063
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大嶋 隆 Osaka University, 歯学研究科, 教授 (80116003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲野 和彦 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (00379083)
野村 良太 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (90437385)
中川 一路 東京医科歯科大学, 医歯学総合研究科, 教授 (70294113)
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Keywords | う蝕 / 循環器疾患 / Streptococcus mutans / 心臓弁 / 大動脈瘤 / 分子生物学 / 血清型 / 菌休表層タンパク |
Research Abstract |
本年度は.これまで行ってきたヒト検体における分析数を増やすとともに.血液分離したS. mutans菌株を用いてin vitro系および動物モデルにおける病原性の検討を行うこととした.実際には.合計約300症例の心臓血管外科手術時に摘出された心臓弁および大動脈瘤検体から細菌DNAを採取し.PCR法によって口腔細菌の存在を分析することができた.その結果.う蝕原性細菌であるS. mutansが高頻度に検出されたため.その血清型を決定すると.口腔内に高頻度に存在するc型以外の血清型が多く検出される傾向が示された.また.感染性心内膜炎患者および抜歯後菌血液症を生じた患者の血液より分離されたS. mutans菌株を用いて.in vitro実験系および動物実験系を用いて様々な分析を行った.すると.多くの株に共通した表層タンパク抗原の変異が存在していることや.その結果貧食作用を逃れやすいことが明らかになった.さらに.これらの株では.口腔に存在するS. mutansの大部分では存在していないコラーゲン結合タンパクを保有している株が多いことも明らかになった.そこで.約50株において.コラーゲン結合タンパクをコードする遺伝子の全配列を決定し.それらに共通する性状を見いだした.その配列を利用して.唾液やデンタルプラーク検体中にコラーゲン結合タンパクを有するS. mutansが存在するかどうかを検出できる方法を確立するに至った.一方.これまでに特定したS. mutans NN2025株における約200万塩基におよぶ遺伝子配列における情報をもとに.新規血清型k型株における全遺伝子配列の決定作業を遂行しており.他の株における既知のデータとの比較検討から左型株特有の遺伝子学的性状の分析に取り組んでいる.
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Research Products
(5 results)