2010 Fiscal Year Annual Research Report
患者と医療者が分かり合えるがんコミュニケーション促進モデルの開発と有用性検証
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19209066
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Research Institution | St. Luke's College of Nursing |
Principal Investigator |
小松 浩子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (60158300)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢ヶ崎 香 慶應義塾大学, 看護医療学部, 助教 (80459247)
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Keywords | がんコミュニティ / 乳がん / ピアサポート / e-learning / がんコミュニケーション |
Research Abstract |
【平成22年度の研究目的】研究の最終段階として、正確で信頼できるがんコミュニケーションを促進するリソースパーソンの育成に必要な教育プログラムを開発し、乳がん患者を対象にe-learningによる教育の効果を検討した。 研究経過】1.E-learning systemの開発:「がんであることをオープンに語る関係や状況生成」を促進するe-learning moduleとして、4つのパーツから構成したコンテンツ「乳がん患者サポートボランティアに必要なコミュニケーション」を開発し、がんコミュニティサイト:http://www.gancommunity.comとして開設した。2.E-learning systemの適用と効果検討:都内の某総合病院で乳がん治療を受けている女性を対象に、single group designによるE-learning適用の前後、および介入3ヶ月後のアウトカム評価(QOL、コーピング、抑うつ、知識)を行った。27名の乳がん患者がE-learningにエントリーし、仕事の都合で中断した1名を除く26名が修了できた(実施率96.4%)。ボランティアに必要なコミュニケーションに関する知識得点は30点満点で平均29.8点であった。アウトカムに関する一元配置分散分析を行った結果、健康関連Quality of Life(FACT-B)、抑うつ状態(CES-D)の得点に有意な変化は認められなかった。一方、コーピング様式を問うMental Adjustment to Cancer(MAC)scaleでは、不安に対する先入観が有意に減少していた。以上の結果から、E-learningによるがんコミュニケーション教育は、がんであることをオープンに語る関係や状況生成の能力獲得に効果的であり、不安に対する肯定的なコーピング獲得につながることが明らかになった。
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