2008 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の睡眠の質を向上させるための看護介入モデルと生理学的効果の評価指標
Project/Area Number |
19209067
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松田 ひとみ University of Tsukuba, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (80173847)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋爪 祐美 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (40303284)
増田 元香 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (60284642)
久野 譜也 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (70242021)
檜澤 伸之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00301896)
奥野 純子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50360342)
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Keywords | 活動的な高齢者 / 飲酒習慣 / 純アルコール量 / 睡眠効率 / 会話内容 |
Research Abstract |
本研究では、昨年度に高齢者の健康状態や社会的関係性別に区分した特徴を踏まえ、地域在住の活動的な高齢者を対象として調査活動を実施した。 地域は高齢者人口比と医療費等によるランク別の分類から、北海道、沖縄県と関東地方を選択した。 対象とした活動的な高齢者に対して、基本属性、生活関連要因、生活リズムの聞き取り調査とライフコーダ、アクティウォッチとポリメートIIを用いた測定を実施した。 特に、睡眠の質に与える影響として、男女とともに飲酒習慣が睡眠やQOLに与える影響に注目した。 飲酒は睡眠への導入には有効であるが、交感神経に作用し睡眠の質を低下させることは知られているからである。 聞き取り調査と測定データの分析は、アクティウォッチにより得られた睡眠効率80%を指標に高群と低群に分け、両群の差を検討するために各項目についてt検定を行い、更に相関係数を求めた。 その結果、高群の睡眠効率の平均は84.9%(SD2.9),低群の平均は74.6%(SD8.3)であった。 高群は低群に比べて、中途覚醒時問が少なく(p<01)、睡眠潜時は短かった(p<01)。 また、高群は飲酒終了時刻から就床時刻までの時間と有意な正の相関を示した(r=537,p<05)。 この時問について、高群は平均で164.3分、低群が95.4分であり、その差は68.9分であった。 さらに、高群の特徴をみると、酒量が少なく、楽しい会話をする頻度が高かった。 酒量の平均値は純アルコール18.lgであった。 以上より、夜間に飲酒している高齢者を睡眠効率の高低で2群に分けることにより具体的な目安を見出すことができた。 (1)飲酒終了から就床までは160分以上(2)純アルコール量は18g以下(3)親しく会話をする機会を設ける、であった。 これらは、日常的な努力で改善可能な範囲であり、セルフケアに活用する可能性が大きいと考えられた。 今後は、生理学的な検証を加えることを課題とした。
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