2008 Fiscal Year Annual Research Report
先住民をめぐる異化と同化の力学に関する人類学的研究
Project/Area Number |
19251011
|
Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
スチュアート ヘンリ (本多 俊和) The Open University of Japan, 教養学部, 教授 (50187788)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大村 敬一 大阪大学, 言語文化部, 准教授 (40261250)
|
Keywords | 先住民(族) / 主流社会 / 植民地主義 / 国民国家 / 同化 / 異化 / 表象 / 力学 |
Research Abstract |
本研究の課題である先住民をめぐる異化と同化の力学に関する研究調査では、主流社会と同化しながらも先住民は独自の社会と文化を表明するという異化の力学関係をつづけて追究した。 1)カナダでは、連邦政府とヌナブト準州の官公庁、イヌイトの先住民権益団体において、ヌナブト準州に対する「イヌイトの知識」問題を調査し、この問題の現状および官公庁と先住民権益団体の取り組みをさらに追究した。 2)アラスカのイヌピアックによるホッキョククジラの分配方法に関して聞き取り調査を実施した。同一村内においてボート・グループによって分配方法や分量に差異が認められることが判明した。 3)前年度につづき、先住民族同士の異化、つまり主流社会に対してだけではなく、各々の先住民族が自己の独自性を表出する側面に関して、メイティとほかの先住民の間では顕著な差異が認められた。また、南部グリーンランドでのヒツジ放牧に関する調査を続行した。 4)合衆国の博物館・図書館を訪問し、北米先住民の文学と映像に関する情報収集と考察を行った。 5)中国の民族博物館における展示基準や展示方法などについて、博物館視察と聞き取り調査を実施した成果に基づいて、アイヌ民族の展示に関する助言を提示した。 6)カナダのヌナブト準州政府における<イヌイトの知識>問題の理論的なバックグラウンドを分析して、準州におけるカナダ主流社会への同化と異化の仕組みを検討した
|
Research Products
(13 results)