2007 Fiscal Year Annual Research Report
スマトラ北部におけるスマトラ地震の歪み回復過程とスマトラ断層の歪み蓄積過程の研究
Project/Area Number |
19253003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木股 文昭 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (10089849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 武男 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (40377982)
田部井 隆雄 高知大学, 理学部, 教授 (40207220)
小川 康雄 東京工業大学, 火山流体研究センター, 教授 (10334525)
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Keywords | 2004年スマトラ地震 / スマトラ断層 / 地震後の地殻変動 / 断層滑り分布 / 断層での歪み蓄積 / GPS観測 / 断層固着 / 電磁気探査 |
Research Abstract |
2004年スマトラ地震の震源域での余効的断層滑りを明確にするために、スマトラ北西海岸を中心にGPSキャンペーン観測を実施した。スマトラ断層の断層滑り速度と歪み蓄積速度を検出するために、同断層上に6点のGPS連続観測点を2007年7,11月と2008年2月に設置し、観測を開始した。GPS連続観測点設置に際し、これまでの断層すべりの研究、アチェ付近で4cm/年を検討し、観測点を断層から50km以内とした。また、既存研究で3cm/年と大きなクリープ現象が指摘されるトバ湖南方では、合成開口レーダによる地殻変動の検出を取り組み始めた。なお、観測点設置では村人の理解を得るために、彼らの建設作業雇用など十分に配慮した。 1)2004年スマトラ地震の余効変動とその滑り分布の推定 余効変動は、地震発生から3年が経過するが、まだ継続し、昨年1年間にバンダアチェの連続観測点では10cmもの変動が検出された。そして、その滑りが地震時に大きな滑りが推定されたプレート境界の浅部でなく深部と推定された。 2)スマトラ断層における断層滑り分布と歪み蓄積速度の検出 GPS連続観測点の設置大きな成果だと考える。なぜなら、インドネシアのような発展途上国では野外設置の観測機器の多くが盗難や破壊などで紛失の例が多い。それを避けるために、村人に対する交渉に十分な配慮した。 観測の開始から1年も経過せず、目的は得ていないが、現在までのデータには断層の滑り速度に大きな時間的揺らぎが検出されていない。 3)電磁気探査によるスマトラ断層の地下構造の推定 断層の滑り固着と地下構造の関係を明確にするために、断層を横断する電磁気探査を計画した。その候補地調査時にインドネシアLIPIも本研究に強い関心を持ち、来年度の実施ならば全面的な協力が申し込まれた。そこで、本探査を20年度実施に繰越し、本年度は調査域の決定と日程調整を行った。
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Research Products
(10 results)