2008 Fiscal Year Annual Research Report
スマトラ北部におけるスマトラ地震の歪み回復過程とスマトラ断層の歪み蓄積過程の研究
Project/Area Number |
19253003
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木股 文昭 Nagoya University, 環境学研究科, 教授 (10089849)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 武男 名古屋大学, 環境学研究科, 助教 (40377982)
田部井 隆雄 高知大学, 理学部, 教授 (40207220)
小川 康雄 東京工業大学, 火山流体研究センター, 教授 (10334525)
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Keywords | 2004年スマトラ沖地震 / スマトラ断層 / 地震後の地殻変動 / 断層滑り分布 / 断層での歪み蓄積 / GPS観測 / 断層固着 / 電磁気探査 |
Research Abstract |
2004年スマトラ沖に伴う余効すべりの断層モデルとスマトラ断層における歪み蓄積を明確にするために、インドネシアのスマトラ島北部アチェで2008年6月と11月に木股・田部井・伊藤がGPS観測を、スマトラ断層の地殻構造を解明するために小川が2008年11月にMT観測を実施した。 その結果、GPS観測から、2004年スマトラ沖地震の余効すべりに関して、(1)アチェでは5-10cm/yrに達する南西方向への余効変動が現在も継続していること、(2)余効すべりは、北部で10cm/yr、南部で5cm/yrと地域性が見られること、(3)この余効すべりの分布は地震時の断層における滑り分布とよく対応し、地震時の滑りが大きなところでは余効変動も大きいことなどが明らかになった。 また、スマトラ断層周辺での歪み蓄積も明らかになった。アチェの西海岸では2004年スマトラ沖地震の余効変動と考えられる1×10^<-6>/yrに達する北東-南西方向へ伸張の水平歪みが卓越するのに対し、スマトラ断層の北東側のブロックでは明らかにことなり、1×10^<-6>/yrに達する北北西-南南西方向へ短縮の水平歪みが卓越する。スマトラ断層の北東側で大きな歪み蓄積が生じていると考えられる。なお、断層でのクリープ運動は来年度の課題である。 さらに、スマトラ断層を横断する測線で実施したMT観測から、スマトラ断層の北東ブロックにおいて深さ10kmあたりまで顕著な`低比抵抗域が検出された。GPS観測による断層北東ブロックでの大きな短縮の地殻歪みとよく対応する結果である。
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Research Products
(8 results)