2010 Fiscal Year Annual Research Report
クメール帝国地方拠点の都市遺跡と寺院遺構に関する研究
Project/Area Number |
19254005
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
溝口 明則 名城大学, 理工学部, 教授 (20297336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 武 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30063770)
下田 一太 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (40386719)
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Keywords | クメール王国 / 寺院遺構 / 都市遺跡 / カンボジア / 街道 |
Research Abstract |
最終年度である2010年度は、これまでに調査を進めてきたコー・ケー、ベン・メアレアにおける最終的な遺構及び地形測量と、考古学的表採及び発掘調査を中心に行った。コー・ケーでは、Pr.Balang等の複数の砂岩造祠堂とKK10と称してきた台座遺構のクリアランス、及び王宮趾と目されてきたAndong Preng周辺の表採及び発掘調査を行い、出土した遺物と建物趾の痕跡から、遺構の性格をより明確なものとした。ベン・メアレアでは、主要寺院遺構の実測を完了し、バライの土塁及び周辺の地形測量をもとに、遺跡群全域図を作成した。また、同中央寺院の南西区域において表採調査を実施し、18の地点でクメール粗製土器・陶器及び瓦類、中国陶磁器、ヴェトナム陶磁器といった800点近くの遺物が発見されたことから、このあたりが往時の生活圏であったと推測するに至った。その他、チャウ・スレイ・ビボールにおける実測図作成、及びアンコールからベン・メアレアを経由してコンポン・スヴァイのプレア・カーンに至る王道沿いの宿駅遺構に関する実測と細部意匠、散乱遺物の記録を行い、アンコールと地方拠点との関係について建築・岩石・美術史的な観点より、編年考察と設計手法の比較分析を中心に総合的な考察を行った。また、タ・ムエン・トムやプノン・サンダックなど、北部山岳地域の遺構を対象とした悉皆調査を行い、広域的に分布する遺構の全容解明に向けた保全計画と今後の展望を示した。
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Research Products
(14 results)