2007 Fiscal Year Annual Research Report
短期乾燥が熱帯雨林生態系に与える影響に関する野外操作実験
Project/Area Number |
19255006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中静 透 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 教授 (00281105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 朝臣 九州大学, 農学研究科, 准教授 (50304770)
酒井 章子 京都大学, 生態学研究センター, 准教授 (30361306)
中川 弥智子 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (70447837)
市榮 智明 高知大学, 農学部, 准教授 (80403872)
市岡 孝朗 京都大学, 人間環境学研究科, 准教授 (40252283)
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Keywords | 熱帯雨林 / 短期乾燥 / 一斉開花 / 降水遮断 / フタバガキ科 / 気候変化 / 操作実験 / 生態系変動 |
Research Abstract |
2007年6月に、マレーシア連邦サラワク州の森林局および、森林研究センターと打ち合わせを行い、詳細な実験計画の理解を得るとともに、協力をお願いした。また、同時に、実験における詳細な注意事項なども確認した。8月には同州のランビル国立公園内で、対象となる樹木種や地形、樹木サイズ、アクセス条件などを考慮して、実験対象木を選定した。林冠アクセス可能で同種の林冠木を4個体選定し、2個体を降水遮断実験、2個体をコントロールとして、2007年12月に降水遮断装置を開始した。降水遮断装置は、木製のフレームとビニールシートを用いた傘状の構造をもち、数ケ月の使用に耐える一時的工作物として作成した。設置前から設置後にかけて、以下の観測を行っている。 (1)調査対象木の周辺で、降水遮断前後の林床に達する降水量をモニタリングした。 (2)栄養塩および炭水化物濃度を樹木の各部位でモニタリングした。 (3)土壌水分、蒸散速度、水ポテンシャル、樹幹流速などのモニタリングを開始した。 (4)展葉にともなう食葉性昆虫をモニタリングした。 (5)落葉量、土壌水分、分解速度のモニタリングを開始した。 降水遮断実験対象個体は、40日間降水を遮断した後、遮断装置を取り除いた。その間、林冠クレーンなどの林冠アクセス装置を用いて、開花を観測した。遮断個体には開花が見られたが、2008年1月には弱い乾燥が入っており、対象個体以外にも開花することがみられた。これらの結果は、現在分析中である。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Population dynamics of arboreal and terrestrial small mammals in a tropical rainforest, Sarawak, Malaysia2007
Author(s)
Nakagawa, M., Miguchi, H., Sato, K., Sakai, S. &Nakashizuka, T.
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Journal Title
The Raffles Bulletin of Zoology 55
Pages: 389-395
Peer Reviewed