Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 光彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (50178810)
石川 智士 東海大学, 海洋学部, 准教授 (40433908)
馬場 治 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (40189725)
河野 博 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (90234707)
小河 久朗 北里大学, 水産学部, 教授 (20005656)
|
Research Abstract |
トラン(タイ)ンマングローブ汽水域において,水路部,林内,林内の裸地の食物網の違いについて調査し,林内の裸地では,他の環境に比べて底生無脊椎井戸う物の現存量が多いこと,これらの無脊椎動物の高い現存量は,付着性の微細藻類の基礎生産によって支えられていることを明らかにした(Kon, et. al.2007)。 ナコンシタマラート(タイ)のパックパナン湾において,主要な漁獲対象物であるノコギリガザミ類の生活史を明らかにするための基礎技術として,神経細胞内のリポフシンの蓄積量を用いて年齢を推定する手法を開発した(Islam, et. al.in press)。また,湾内のマングローブ伐採域と保全域の魚類相の比較を行い,マングローブ林の伐採が,行類の個体数および種数の減少を招いていることを明らかにした(Shinnaka, et. al.2007)。 トンレサップ湖(カンボジア)周辺の漁村および農村で,漁業の実態調査を行った。その結果,漁村における漁業の実態は,村ごとに大きな違いはなく,小規模漁業として行われている漁業の多くは,法律上の中規模漁業に相当すること,流通業者と漁業佐野間には相互の依存関係があることが明らかとなった。一方,農村における漁業の実態は,立地によって大きく異なり,都市からの距離が離れているために他産業への就労の機会が少なく,農業生産性の低い地域では,漁業に収入の多くを依存しており,これらの漁業が資源を圧迫していることが示された(堀2007口頭発表)。 バタン湾(フィリピン)においては,漁獲調査とインタビューにより漁業実態と資源の現状について調べた。その結果,最近20年間で資源状態が急激に劣化し,漁獲量が低下していることが明らかになった。その原因としては,漁業者人口の増加による漁獲圧の上昇,エビ養殖場建設によるマングローブ林の破壊などの環境の劣化が考えられた(Altamirano 2007 口頭発表)。
|