2008 Fiscal Year Annual Research Report
東南アジアにおける水産資源・水圏環境の保全・管理システムに関する研究
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19255013
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒倉 寿 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50134507)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 光彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (50178810)
石川 智士 東海大学, 海洋学部, 准教授 (40433908)
吉川 尚 東海大学, 海洋学部, 講師 (80399104)
林崎 健一 北里大学, 海洋生命学部, 准教授 (80208636)
河野 博 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (90234707)
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Keywords | 沿岸環境 / 水産資源 / 資源保全 / 資源管理システム / 小規模漁業 / 東南アジア / トンレサップ湖 / マングローブ林 |
Research Abstract |
タイ国トラン県のマングローブ林において、微小環境の違いに注目してマングローブ林の生態的な機能について調査を行った。その結果、調査地域におけるマングローブ林の底生生物に及ぼす機能は、主として日陰の提供など、物理環境の調整機能にあり、餌や隠れ場の提供などの機能は小さいことが明らかになった。この知見は、従来のマングローブ林の機能に関する定説に疑問を投げかけるものであり、沿岸マングローブ林の保全の在り方に関して新しい考え方を提供す根拠となることが期待される。それ以外に、タイではマングローブ林周辺のカニ漁業の実態調査と資源の状態について調査した。また、マングローブ水路におけるカゴ量の実態についても調査を行った。 カンボジア・トンレサップ湖においては、地方の水産事務所などに散逸・埋没していた魚種別・漁法別の漁獲量の一次データの収集に成功。これを用いて、10種の魚種について資源変動の解析を行った。その結果、価格の高い肉食性の魚種で、明らかに資源量の低下がみられたのに対して、比較的価格に安い濾過食性の魚種の一部は資源量が増加していた。また、資源量の変動が水文環境の変動に大きな影響を得ているという結果は、得られなかった。このことから、トンレサップ湖の最近10年間程度の資源変動の主要因は、漁獲によるものと考えられた。 フィリピン・バタン湾においては、従来の計画通り、ウシエビ稚エビの放流事業を行い。放流事業が、地域漁民の資源管理意識に与える影響を調べる予定であるが、平成20年度は、放流前の住民の意識調査と放流方法の検討を行った。その結果、平成21年度に行う試験的な放流の基本的な計画を策定することができた。また、意識調査については、試験的な放流期間および終了後に漁民の意識調査を行い、放流の実施が住民の資源管理意識機に及ぼす効果について明らかにする予定である。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Effect of shrimp farming organic waste on food availability of ・deposit feeder crabs in a mangrove estuary, based on stable isotopic analysis.2009
Author(s)
Kon, K. , Kawakubo, N. , Aoki, J. , Tpmgnunui, P. , Hayashizaki, K. and Kurokura H.
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Journal Title
Peer Reviewed
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