Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神田 穣太 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (60202032)
北出 裕二郎 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (50281001)
田中 祐志 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (90207150)
茂木 正人 東京海洋大学, 海洋科学部, 准教授 (50330684)
堀本 奈穂 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教 (90345405)
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Research Abstract |
H19年度及び20年度に海鷹丸による,南大洋航海をそれぞれ実施した。主たる調査海域は,前者では(1)昭和基地沖およびケープダンレー沖と,(2)アデリーランド沖およびジョージVランド沖であり,後者では(1)の海域のみである。実施内容は,(1)では,海洋構造の観測,係留系による観測,栄養塩分布,硫化ジメチルの分布と生成機構,二酸化炭素分圧,基礎生産,動植物プランクトンの分布等に関する観測,採集であり,(2)では,国際極年における国際共同観測として日豪仏による,生物多様性の解明を目的とする観測採集が重点的に行われた。各種プランクトンネット,中層トロールによる表層から中・深層に至る各層での採集を高密度に行った。本年度は,これら2航海で得られた試料の分析とデータ解析を行った。研究内容は多岐にわたるが,生物関係では,従来知見の少ない,陸棚から外洋までの間の魚類組成の比較,中・深層における魚類や動物プランクトンの分布,さらに動物プランクトンの分布変動と南極周極流周辺に形成されるフロントの位置との関係等を明らかにすることができ,第X回SCAR国際生物学シンポジウムにおいて多数の口頭発表を行った。それらの内容は,特集号に掲載予定である。一方,物理学分野ではケープダンレー沖において新たな南極底層水形成海域を発見し,深層水の分布やその変動,形成機構等に関して極域気水圏シンポジウムで多くの発表を行った。現在までに解析の済んでいない試料やデータも多く残されており。今後,これらの処理に努めるとともに研究発表を重ね,過去の研究結果との比較により,地球環境変動に果たす南大洋の役割や.変動に応じた生態系の変化について明らかにする予定である。
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