2007 Fiscal Year Annual Research Report
実際的な制約を考慮した幾何計算問題の解法とその応用に関する研究
Project/Area Number |
19300002
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浅野 哲夫 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 教授 (90113133)
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Keywords | アルゴリズム / 計算幾何学 / 三等分曲線 / 三角形分割 / メッシュ生成 |
Research Abstract |
本研究では統一的な視点から下記の3課題に取り組んだ。 課題A.距離情報から点の座標を求める問題とその応用 課題B.三角形メッシュ改善問題とその応用 課題C.三等分曲線の計算問題とその応用 課題Aは,平面上に多数の点が与えられていて,それぞれの点に対して目標となる距離も指定されているとき,目標の距離からの誤差を最小にするように新たな点を挿入するという問題である。この問題に対して,計算幾何学の手法を応用することにより極めて効率の良いアルゴリズムを得ることに成功した。その成果の一部が認められ,中国の上海で開かれた国際会議において招待講演を行った。特に,既に与えられた点集合に新たな点を最適な位置に挿入する問題において効率の良いアルゴリズムを得たことが評価された。 課題Bに関しては,昨年の12月に開催された国際会議ISAACにおいて研究成果を報告した。そこでは,新たな点を挿入した後の最適な三角形分割の質が最善になるような点の位置を求める問題について効率の良い方法を提案した。発見的な方法は知られていたが,問題の計算困難性を初めて明らかにした点が評価された。 課題Cに関しては,三等分曲線を用いた新たなボロノイ図の構成に関する研究成果を国際ジャーナルに発表した。また,三等分曲線の存在性と唯一性に関してはバナッハ空間における不動点定理に基づいた証明を完成し,その成果を国際会議と国際ジャーナルに発表したが,いずれも各方面から大きな反響があった。
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