2008 Fiscal Year Annual Research Report
実際的な制約を考慮した幾何計算問題の解法とその応用に関する研究
Project/Area Number |
19300002
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浅野 哲夫 Japan Advanced Institute of Science and Technology, 情報科学研究科, 教授 (90113133)
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Keywords | アルゴリズム / 計算幾何学 / 三等分曲線 / 三角形分割 / メッシュ生成 |
Research Abstract |
本研究では統一的な視点から下記の3課題に取り組んだ. 課題A.距離情報から点の座標を求める問題とその応用 課題B.三角形メッシュ改善問題とその応用課題C.三等分曲線の計算問題とその応用 課題Aに関しては既に効率の良いアルゴリズムを開発し,国際会議でも報告して好評を得た.本年度はその成果を更に応用することに務めた.具体的には,病院における健康度の診断において毎回の診断結果をプロットして改善に向かっているのかどうかを目で確認しやすいシステムの開発である.医学の関係者とコンタクトを取って研究を開始しようとしているところである. 課題Bに関しては,既に国際会議での報告も終わり,さらに国際ジャーナルに投稿して採択が決定した.今年度の終わりからは最適化の基準を変更して新たな問題に挑戦している.具体的には,従来の基準は構成三角形の内角に注目し,その最小角を最大化することが一般的であったが,有限要素法などの研究では,最長辺と最小高さの比で決まるアスペクト比が好んで使われる.この比を使った場合の問題の難しさは未だ解明されていない.特殊な場合についてはアルゴリズムを開発した. 課題Cに関しては,三等分曲線を用いた新たなボロノイ図の構成に関する研究成果を更に別の国際ジャーナルに発表するとともに,新たな方向の研究も開始した.具体的には,ユークリッド距離ではなく,マンハッタン距離の一般化である多角形距離を用いて,本来,高度な曲線になる三等分曲線を区分的多角形線分列で近似しようというものである.殆どの性質を保ったままでの拡張が可能であることを確かめた.さらに細部を詰めている段階である.
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