2010 Fiscal Year Annual Research Report
実際的な制約を考慮した幾何計算問題の解法とその応用に関する研究
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19300002
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
浅野 哲夫 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (90113133)
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Keywords | 計算幾何学 / アルゴリズム / 三角形分割 / 三等分曲線 |
Research Abstract |
本研究では,計算幾何学に関連する3課題に対して統一的な視点から取り組んだ. 最初の課題は,互いの類似度に基づいて定められた測度を距離と見做して,互いの距離を保ちながら限られた次元の空間の点に写像する問題である.逆行列の計算に基づく方法が知られているが,巨大な入力に対してはメモリの面で問題かある.そこで省メモリの解法を提案し,カナダの研究者との共同研究として発展させ,最後に実験によって方法の有効性を確かめた. 2番目の課題は,有限要素法など多くの応用をもつ三角形メッシュを実用的観点から改善するためのアルゴリズムを新たに提案することと,その計算時間を解析することであった.従来とは全く異なり,新たに最適な点を追加するという問題に帰着させ,効率の良いアルゴリズムの開発に成功した.研究成果は既に国際ジャーナルに掲載された.昨年からは,更に問題を一般化して,アスペクト比に基づいた基準での最適化問題を動的計画法で解決するというアプローチを試み,基礎的な研究成果を得たので,近い将来に投稿を予定している. 最後の三等分曲線に関する課題では,数学的な理論的枠組みを構成することから始めて,実際に平面上に効率よく三等分曲線を描くためのアルゴリズムの開発も行った.さらに,この考え方に基づいて新たなタイプのボロノイ図が定義できることも発見した.カナダの研究者と共に,任意の凸多角形で特徴づけられる一般化された距離でも同じく三等分曲線が定義できることを証明し,さらに描画のアルゴリズムも完成させた.
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