2007 Fiscal Year Annual Research Report
連続的不安定なネットワーク環境において安定動作する分散システムの実現に関する研究
Project/Area Number |
19300017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増澤 利光 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50199692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角川 裕次 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80253110)
大下 福仁 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20362650)
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Keywords | アルゴリズム / ディペンダブル・コンピューティング / ネットワーク / 分散システム / 自己安定システム / モバイル・アドホック・ネットワーク / P2Pネットワーク |
Research Abstract |
本研究では、(計算機などの構成要素の故障、ネットワークトポロジの変化、外部からの攻撃などによる)ネットワーク環境の不断の外乱のために不安定で絶えず変動しているネットワークにおいて、安定して動作する自己適応型分散システム設計の基盤となる理論・技術の確立を目指している。今年度は、モバイルネットワークやP2Pネットワークなど、構成要素やトポロジが不断に変化するネットワークのさまざまなモデル化を試み、これらのネットワークにおいて、安定に動作する分散システムの基盤となる分散アルゴリズムを提案した。具体的には、ルーティング、相互排除、資源探索などの基本的な問題に対し、自己適応的な分散アルゴリズムを提案し、解析、および、シミュレーション実験による性能評価を行った。また、一時的な外乱に対する高度な適応性を有することが知られている自己安定アルゴリズムに対し、不断の外乱に対する耐性を付加するための基盤技術に関する研究を行った。具体的には、不断の外乱をビザンチン故障としてモデル化し、自己安定アルゴリズムにビザンチン故障耐性を付加することの可能性について考察し、リンク彩色問題に対するアルゴリズムを提案した。さらに、不断の外乱に対する適応性を実現するために、外乱の影響がシステム全体に波及することなく、時間・空間的に封じ込めることが可能な故障封じ込め自己安定アルゴリズムについて、故障封じ込めの特性を保持しながら、複数のアルゴリズムからより複雑な故障封じ込め自己安定アルゴリズムを合成するための手法を提案した。
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