2008 Fiscal Year Annual Research Report
連続的不安定なネットワーク環境において安定動作する分散システムの実現に関する研究
Project/Area Number |
19300017
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増澤 利光 Osaka University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50199692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角川 裕次 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (80253110)
大下 福仁 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教 (20362650)
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Keywords | アルゴリズム / ディペンダブルコンピューティング / ネットワーク / 分散システム / 自己安定システム / モバイル・アドホック・ネットワーク / P2Pネットワーク |
Research Abstract |
本研究では、(計算機などの構成要素の故障、ネットワークトポロジの変化、外部からの攻撃などによる)ネットワーク環境の不断の外乱のために不安定で絶えず変動しているネットワークにおいて、安定動作する自己適応型分散システム設計の基盤となる理論・技術の確立を目指している。今年度は、アドホックセンサーネットワークなどの構成要素やトポロジが不断に変化し、通信が不安定なネットワークのモデル化を行った。このモデルを始めとする、連続的に不安定なネットワークモデルに対し、安定動作する分散アルゴリズムの提案を行った。また、提案アルゴリズムの性能評価のために、解析、シミュレーション実験およびセンサー実機を用いた実験を行った。さらに、連続的不安定なネットワーク環境で安定動作する分散アルゴリズムの新たな特性として、緩自己安定性および出力安定性の定式化を行い、これらの特性を有する分散アルゴリズムを提案した。緩自己安定性は、不安定なネットワークにおける分散システムの実現困難性を回避するために、分散システムの新たな要求仕様として、従来の自己安定性を緩和した特性として導入したものである。また、出力安定性は、外乱の影響を封じ込めるための新たな方向性として導入したものであり、特に階層的な分散システムにおいて効果的である。さらに、故障封じ込め自己安定アルゴリズムについて、故障封じ込めの特性を保持しながら、複数のアルゴリズムからより複雑な故障封じ込め自己安定アルゴリズムを合成するための手法を提案した。
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