2009 Fiscal Year Annual Research Report
社会科学の新しい研究方法論としての総合型ウェブマイニング環境の開発研究
Project/Area Number |
19300025
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
増永 良文 Aoyama Gakuin University, 社会情報学部, 教授 (70006261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘 かおる お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 教授 (50155082)
小山 直子 お茶の水女子大学, ジェンダー研究センター, 客員研究員 (00194639)
渡辺 知惠美 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 講師 (20362832)
伊藤 一成 青山学院大学, 社会情報学部, 助教 (20406812)
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Keywords | ウェブマイニング / ジェンダー / 社会科学 / 研究方法論 / SERP Watcher |
Research Abstract |
本申請研究の目的は,ウェブが有する潜在的可能性を顕在化し,それによりウェブマイニングが社会科学の新しい研究方法論となりうるという知見を示すことである.そのために「統合型ウェブマイニング環境」を開発するべく研究を続けてきた.具体的には,複数の検索エンジンの検索結果(Search Engine Results Pages, SERPs)を活用した高機能なウェブマイニングツールであるSERPWatcher(サープウオッチャ)を開発してきた.本年度は3年にわたる研究の最終年度にあたり,本研究班の全員が多数回一堂に会して打ち合わせを繰り返し,また必要な機能の実装の一部を外部委託して,SERPWatcherを実動させた.それは過去2年余にわたり収集してきたジェンダー関連のウェブアーカイブデータを,検索エンジン固定ビュー,ウェブページ固定ビュー,収集日固定ビューの3つの視点から多次元分析する機能を提供するとともに,バックリンクデータの表示,収集日のニュースアーカイブの表示,SERP順位変動に基づくアラート機能と分析機能などを備えている.収集データをもとに検証を加えた結果,社会の変化や出来事をSERPの順位変動表示は見事に捉えており,それ故に本来の目的を達成するであろうことを確信させた.SERPWatcherは「第15回先進応用のためのデータベースシステムに関する国際会議」(DASFAA2010)でデモストレーションされ,システムの完成度やSERPWatcherが社会科学の新しい研究方法論となるであろうという先進性がとても高く評価されてExcellent Demonstration Awardを受賞する栄誉に輝いた.SERPWatcherは現在本研究班メンバーに公開され社会学の研究推進に供されている.
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